お久しぶりです。一応生きてました。
1月2月は多忙を極めて薪さんの誕生日すらお祝いできなかったオタクの名折れですが、バレンタインも猫の日もスルーで、ホワイトデーくらいには、と思ってたらもう過ぎてたよ。
ちょっと落ちてるんですが、どれくらい落ちてるかというと、ヘイトとデマの嵐のついったは眺めるだけで自分のメンタルに悪影響が出るくらいです。それでしばらく離れてます。
ついったやfacebookのような、気軽に「いいね」やリツイートができるSNS媒体は、その構造そのものにヘイトを拡散させる特徴がある、という話を以前読んだんですが、どこだったかな。ネット記事かnoteの記事か、わかりやすい話だったんですけど見つけられないので、検索しててたまたまひっかかかった同じこと言ってる論文を貼っときます。
もちろんだからといってSNSやましてやネットから離れることはできないしそのつもりもないですけど、とにかくとりあえずブログがまだあってよかった……2013年(10年前だよ)の映画『ホワイトハウス・ダウン』で子供が父親に「ブログは死語」だって言ってたけど、いいんだよ。ワシだってその父親世代のさらに上の化石恐竜だから。
この記事も書いて2回くらい消してまとめ直してるんですが、ついったつながりのリアル友達から様子伺いのラインが来てしまったので、ここいらで無理やりにでも書いておかないと浮上する機会を失いそうだし、なみたろうさんにもたぶんご心配おかけしてるだろうし、あげてしまいます。
さてつまらん生存報告だけではな、と思って診断メーカーを回しました。お話を書いたので貼っておきます。
勢いで書いて寝て起きて読み直したらつまらなかった。せっせと直してちょっとマシになりました。また先延ばしにするとあげられなくなるのであげてしまいます。今年やっと2個目だしね。
お題というかテーマは上記の通りですが、もうぜんぜん方向転換してます。文字数も当然無視です。
話の中に出てくる日没の時間は、昨日、つまり今年の3月14日のものです。
第二管区 仙台 1742
第三管区 東京 1747
第八管区 福岡 1824
仙台と東京が5分しか違わないのに、福岡はさらにその37分もあとなんですね。遠いなー福岡。薪さんかわいそう。
もひとつ、桜の開花予想。緯度だとほとんど変わらない青薪。
こいつが、1日経ったら東京だけ、予想より2日も早く開花してしまってました。
↓
まじか。こっち今夜マイナス3度なんだけど。ワンコの散歩、真冬と同じフル装備なんだけど。
季節ネタはナマモノだな、と実感したしだいです。
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春季前線
18時20分、画面に愛しい名前が浮かんで電話が鳴った。こんな半端な時間に珍しいな、と夕暮れのひとりの室長室でとる。
「もしもし」
「薪だ」
「はい。わかってます」
「おまえがまだわかってないことを教えてやろう」
「なんですか、いつもどおりいきなり」
「東京はもう日が沈んだ」
「それはわかってます」
「オリオン座が南中してる」
「えっ」
つい窓をの外に向けて頭を回したが、福岡の日没は4分後、外はいまだ薄明るい。この時点で青木は細かい数字は知らなかったものの、東京のそれは30分以上前に過ぎた17時47分だった。
「三つ星が見える」
「どこにですか」
「南中って言っただろうが。南の空に決まってる」
「都会の所長室の、どの窓からですか」
「とにかく見える。ベテルギウスも、大星雲も」
見えないんだな。まあ星の配置自体は嘘ではないだろう。なんでこんな電話をしてきたのかなと、青木は恋人の思考回路を推測しようとして前頭葉をフル回転させた。
「冬の大物がこんな時間にそんな場所にいるなんて。こっちが暗くなって俺が帰る頃には、沈んでますね」
「代わりにさそり座がのぼってくる」
薪の声は冷静さの中に隠しきれない高揚感をわずかに忍ばせている。「冬が終わるぞ」
なるほどそういうことか。
「さそりはオリオンを倒した天敵だから、巨人は逃げて隠れるんでしょ」
「頭でっかちな文系の理解だな。さそり座を見たことがあるか」
ぐっと詰まる。
「いえ」
「そうだろう。あれが夏の星座の代表格として持ち上げられるのは神話と位置のせいで、実際には暗いし低いし、おまえじゃ見つけられない。「ネコの目」と呼ばれる毒針だって、視力0.2じゃ絶対に見えない」
薪は容赦なく楽しそうに、青木をこき下ろしてくる。じゃあ刺されるしかないな俺は、オリオンみたいに、と思う。
まだ夜の方が長い春分の前なのに、もうすぐ夏の星座が姿を現す。冬の派手な星空は青木も、もちろん薪だって、好きな風物詩のひとつだった。だがあのしんと冴えた空気がもたらす距離感は、実際以上にひとり暮らしの孤独を刺激することがある。いまさらそんなセンチメンタルな生き方はしていなくても、ふとしたおりに、終焉を告げることで存在を思い出すように。
「あいだの春に、めぼしい星座はないんですか。あんまり聞かないけど」
「特長的なところで、しし座がある。逆クエスチョンマークの大鎌を持ってる」
「こちらは明後日、桜の開花予想が出てます」
「そこは東京も同じだ」
「じゃあ今年も、同じ桜が見られますね」
薪はそうだな、と言って満足した声音で電話を切った。話題が突然地上の花に移ったことに、違和感はないようだった。ふたりとも同じだ、季節の移り変わりのことをそれぞれの場所で考えていた。
もちろん年度末の官庁は忙しく、今週も来週も、来週の祝日も、休みなどとれるかわかったものではない。ただそこは承知していても受け流してくれた。薪がそれをいちいち否定しなくなったことが、青木には嬉しかった。
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