雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

SS「めぞん鈴薪青 闖入者」

 

こんばんは。

本日は自分のためのまとめ記事です。ついったいっぱい貼り付けます。

情報を一箇所に集約しておかないと、すぐ見失ったり忘れたりするとりあたまなので(しかし最近「とりあたま」って鳥に失礼じゃないかと思ったりもする)。

 

まず、鈴木・青木・薪さんの仲良し三人組が同居している if 世界の、リレー小説がいったんまとまりました。

混ぜていただけて楽しかったです〜〜! またしてもごはん食べて平和に落ち着いたww

ここ2回のメロディもあって、終わらないでほしかったよ……終わったって感じじゃないのがありがたいですね。

 

こちらスレッド:

 

呼び掛け人のゆりさんが作ってくださってるまとめ:

スクショ撮って整理して、手間ですよね、ありがとうございます!

 

今回「二次 リレー」タグを新設したので、過去のリレーもそこからすぐ見つけられます。ご利用ください。

リレー小説、毎回感じるんですが、頭で思ってるより実際みんなでわいわい書いてからのほうが、ずっと尊い……設定がぶっ飛びすぎてて面白いだけだろ、と笑うつもりで参入しても、なんか世界が美しすぎて、ZIPで。

 

今回は本誌連載の先が読めない不安からさびしくなっていたところへ呼びかけていただいて、うほほーいと載ったんですが、元々の設定の発端は、ふうかさんが回したガチャでした。その後回す人が続出、異次元じゃないけど異次元みたいな if 設定のリレーにつながりました。

 

 

ところで今回、薪さんが(っていうかわたしが)舞に向かって「僕は34歳も歳上なんだ」とうっかり公式の年齢設定を出してしまったのですが、それを言ったら薪父は(そしてたぶん母も)還暦すぎちゃってるんです。薪さんが生まれたときの敬さんは30歳です。

年齢を確認したときの記事はこちら:秘密の都市計画

グラフが読みにくいので画像で再掲します。

 

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公式の年齢設定に従うと、還暦どころかたぶん古希だよ!

ということで薪さんの叫びは忘れてください。どうせなんでもありの世界なので、脳内で適当に年齢操作して、うるわしい食卓の光景として妄想します。

 

 

で、スピンオフがいろいろ作れそうな呟きが要所要所で漏れてきたんですが、すみません早速 if の if です。

 

そのあと回したガチャで猫が出てきて、タイミングよすぎました。

 

これいったんハマると延々まわす……

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また猫。猫と薪さんは相性がいい。

 

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そうそううちの薪さんはクマムシが怖いし。クマムシ、昆虫じゃないけど。

 

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なぜかムシ続き。エビフライはもはやキーワードとして前回のリレー小説を思い出させられます。

 

 

折り畳みのあと、宇野猫の背景写真のない文字だけのSSです。中身は同じです。

マンション?の名前、なんかカッコイイの考えたかったんですが、「めぞん第九」ぐらいしか思いつかんかった……。

→ゆりさんのかわいい川の字「薪サンド」に合わせて「めぞん鈴青薪」から「鈴薪青」に整え(?)ました、勝手にご紹介しときます!!

 

最後の「俺、猫。」は、「みんなのうた」でやっていたらしい歌です。うちでは替え歌になって曲も原型をとどめていません。職場の人にだいぶ以前教えてもらったのですが、たまに知らない人がいるので(←物知らずの自分が知っていて他の人が知らないことがあるとすごく驚愕する)、一応お知らせしておきます。「おれ、ねこ」で検索するとゆーちゅーぶにいろいろ出てきます。

 

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めぞん鈴薪青 闖入者

 

 

 もぞもぞと何かがベッドにもぐりこむ気配がして、鈴木は慣れたもので目すら開けずにずるずると壁際に移動した。枕はどうせ複数積み上げてある、どれだけ寝返りを打っても広いベッドのどの場所でも、頭を支えるふくらみがあるように。

 「……薪」

 「ん」

 「髪、湿ってるぞ。ちゃんと乾かせっていつも言ってるだろ」

 「猫にやられた」

 鈴木は夢うつつの境目で喉元をくすぐる後頭部の柔らかい匂いに触れ、短い答えから状況を探った。

 「青木がまた拾ってきたのか……」

 「あんなちっこいからだで、あいつの部屋を抜け出して、僕のところに迷い込んで、ウロウロしながらにーにーなくんだ。ついベッドに入れたら、ハラの上でおしっこされちゃって」

 「そのはんにんは」

 「拭いてやったよ」

 確認するような声が布団の中でかすかにアンとないた。

 「ここでもやるんじゃないか」

 「青木の責任だ。朝になったら僕のシーツも洗濯させる」

 まあ洗ってすむものならそれでいい。腕を伸ばして薪の肩越しに探った先に、ひどく温かい小さな毛玉が丸まってのどを鳴らしていた。生後1か月は過ぎていそうだ。カリカリで生きられるだろうが、冷え込み始めた夜に屋外は厳しい。

 「体温、高いな」

 「赤ん坊だからな」

 おまえもだよ、と秋の気配に対抗するぬくもりに眠りの中へ戻ろうとしたとき、ドアに小さなノックの音が聞こえた。

 「――鈴木さん。すみません」

 「やられたのか」

 「薪さんもですか」

 ずるずると毛布をひきずる気配がする。「俺はソファでいいんで……」

 「あたりまえだ。おまえみたいなデカイ男と一緒に寝られるか」

 胸元に抱いているらしく、くぐもったこまかいなきごえが深夜に響く。

 「何匹」

 「3にんです」

 「きょうだいか」

 「たぶん」

 「毛皮の色は」

 「茶トラと三毛と、あとダイリュートってわかりますか」

 「色を薄くする遺伝子だろ」

 「それです。グレーです」

 「おまえらな。僕の頭越しに喋るな、もう寝ろ」

 「薪のは、何色」

 「そのダイリュートのやつ」

 「俺の指を吸ってるんだけど」

 「お母さんが恋しいんだよ」

 わずかにかじりつく力強い吸い付き方と、仔猫特有の細くするどい爪が、鈴木の手のひらを押してくる。夜じゅうこれをやられてたんじゃ、とようすをうかがえば、薪はすでに寝息を立てていて、青木は横になる姿勢を探っていた。

 「潰すなよ」

 「そっちに頼んでいいですか」

 ため息を合図に青木が腕を伸ばし、掛け布団の中できょうだいを再会させた。「よろひくおnがいしまふ……」

 結局眠れないのは俺か。

 「俺、猫。こいつ、うちのやつ」

 子守唄のように囁くと、同居人がふたり揃ってふふふと喜んだのがわかった。

 

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