雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密のコナンくん

 

こんばんは。

猫さまの看病をしながらいま、これを書いています。具合の悪い猫さんと一緒に客間(=台所から寝室までひっくるめてワンルームの拙宅(これはほんとに「家」の意味)(なんかいい語彙なかったっけ、あばら家みたいな意味のもっと雅なの)において、常日頃から可動式の壁扉に遮られて区切られている空間)で寝起きしてるんですが、今夜は様子を観察したいので眠りたくないし眠れないし眠くないし、仕事するほど酔狂な気分でもないし、とキーボードを叩いているところです。

 

実は少し前から、コナンくんのアニメを観ています。いまたぶんシーズン17で、数話前についにアムロさんが登場しました。とりあえず白いFDが出てきた途端に潰れました。は?? ご本人があまりにあっさりと自分の愛車?を潰したのでびっくりした。何度も巻き戻し(死語)して観ちゃったよ、FDを。どう修復するのかはまだ見てません。

何度かあちこちで書きましたように、うちにはiPadMacBookiMacが自宅だけで合計10個ぐらいあって、少なくとも半数は常時稼働しているのですが、そのうちの一つが「アマプラ専用iPad」です。こいつではずっとドラマ、それもここ2年ほどはひたすら『NCIS』を中心としたドラマを観ていたのですが、夏頃だったか、

「コナンくんの映画(最新2個除く)のアマプラ見放題がもうすぐ終わるよ」

というお知らせが流れてきまして。根っこがミステリの人間としては観ておくか、と観たのです。その流れでドラマを観て、昔ざっとシーズン15か16くらいまで観たと思うんだけど、それを超えてまったく観た覚えのないシーズン17まで来た、というわけ。

 

※ ご安心ください(??)、ただひたすら観てるというか流してるだけです。とっても面白いです、がコナンくんにはわたしが沼る要素はありません。理系の天才がいない。

 

人間の名前が覚えられない、という特技はこういうところでも発揮されて、たぶん漫画を読めば覚えると思うの。字で認識してるんだろうな、だからアニメだと覚えられない。少年探偵団の名前は、それを呼んでる他の誰かの声を思い出さないと思い出せません。

なのでわたし(=シーズン15か16あたりまで一度観た人)にとってはアムロさんとか、せらさんとか、めっちゃ新キャラです。もちろん断片的に世界に漂う情報とか、二次で見かける情報とかで、アムロさんは知ってたんですが(内容としては「恋人はこの国」程度)、なまじちょっと知ってしまった故に、情報が錯綜して混乱しています。

 

 

以上が長い前置き。 ←え

昔一度流して観たときには、コナンくんが番組冒頭に例の決めゼリフ「真実はいつもひとつ!」というたびにいちいち「んなわけねーだろ! これだから子どもは……」とツッコミを入れる、というのがわたしがよくやる雑な遊びでした。いまではそれにはもう飽きて、コナンくんの声優さん、マジうまいな飛び抜けてうまいな、と演技を鑑賞しながら、時々マネしながら(←名目上は、落語の演技の練習の一環として)観ています。

なおわたしがいちばん好きなキャラはコナンくんです。頭いいからです。ナマイキなところはむかつくけど。絶対音階を持ってるくせに音痴、などという人間が現実に存在しうるのか謎で仕方ないですが、そこら辺も、仮に存在してたら自分で絶望的な気分にならないんだろうかとか、鑑賞力と自分の表現能力は別なんだろうか評論家が作家でなくていいようにとか、奥深い疑問を提示してくれるよなあ、などと音痴エピソード(そんなもんそうそうない)が出てくるたびに感心しています。

 

実はここから本題です。

コナンくんにはいろいろ偏ってるわたしから観て、これはすごい、と思ったことがふたつあります。アニメしか観てない(しかもまだアムロさん登場したばっか=かなり道半ばの)わたしが感じたことなので、界隈の常識だったら笑って後ろ指さしてください。

 

 

その1 出てくる女性が肉体的に強い人が多い

ランねえちゃんもカズハもセラさんも、佐藤刑事もケンカに強い。しかも現時点では武闘派で登場してるのはみんな女、男でそういうのは少ない(名前忘れたけど鈴木ソノ子の彼氏くらいではないでしょうか……いややればみんな強いんだろうけど、小五郎のおっちゃんも色の黒い関西の少年も)。

なにがいいって、これがあると、女の子たちがオバケを怖がったり恋にドギマギしたりしてても「いつの時代のラブコメだよ」みたいにならないし、女の子たちがただの添え物でなく存在感が出てくるし、探偵として頭脳戦を繰り広げる男の子に対する対等感もあるので、とてもよいです。あっちこっちで悲鳴あげて「ついてくんな」っつってんのについてきてもウザヒロインにならないのは、やっぱこれがあるからじゃないかと思うの。NCISの女性捜査員たちもめったやたらに強いから、なおさらよい、こういう設定。

薪さんが実は柔道弱くない、ってのと一緒だよねえ(一緒???)。

 

 

その2 ミステリとしてわりとイケてる

そう思うのは、帰納法的に、アニメのオリジナルストーリーが出てくると、ほぼ100%の確率でそれがわかるからです。

 

たぶんファンの方はご存知なんだろう(し他に類似サイトもあるのかもしれない)けど、調べ物をするときに、『毛利小五郎探偵事務所』『真実はいつもひとつの世界』などのファンサイトや『アニヲタwiki』などを使います。サイトで調べるというよりは、タイトルなどを打ち込んで出てきたページで調べる、という感じですけど。

しっかしさすが巨大ジャンル、調べ物しようとするとどっかに情報が転がっててアクセスも容易。

 

ここが本日のメインとか言っときながら力尽きてきたのであまり詳しく書きませんが、漫画に原作がある回は、謎の厚みが違うっていうか。漫画つまりフィクションならではの「は??」みたいなのは、特に動機や紐状のものが頻出するトリックあたりにままありますけれど、あとあっさり殺したり死んだりしすぎだろと毎回のように思いますけれど、17年分も観てたら、まあたまにあってもいいじゃんそれくらい、と思うようになりました。

一個の謎を支える細かい要素が一個だけじゃないって言ったらいいのかな。それ全部発見しちゃったコナンくんがひとり脳内で「なるほどな」ってなってても、後から畳み掛けるように謎解きされても、最後にちゃんと理解できるしそれまで理解できないように組み立てられてる緻密さがあると思います。

トリックについてはさすがに「そこ、トリックだよってフラグ立ってるよね」ってのが通常営業(っていうかわざとなのか?)ですが、それ一個バレたからって全部わかっちゃう、みたいにはなってない。これがアニメオリジナルだと、ほぼそれ一個バレて全部わかる、っていう浅さが目立ちます。

例えばわたしが観た直近のシーズン17「探偵たちのノクターン」(原作あり)では、事件の発端当初から、いや殺したの逆だろ、という雰囲気がありすぎで、マンションの住人のトリックもバレバレで構成されてましたが、それでも、共犯なのか復讐なのかは迷ったな。誘拐されてからのコナンくんの先を見透かした解説と、真犯人が出てきてからの三つ四つ巴のスピード感あふれる展開、ああいうのもすごくいいですね。FDのところ巻き戻しちゃった(再掲)(アニメで既にカメラ数台使って違うアングルで載せてるのに)。

 

変装とか007的ぶっ飛びメカとか各方面の組織の設定とか、フィクションならではのリアリティ超えたところもいいです。せっかく漫画・アニメなんだからこうじゃなくちゃね! と思えてとても楽しい。

 

 

あとランねえちゃんがしっかりした母親よりいいかげんな父親と一緒に暮らしてるとこもいい。アイドルに夢中のオヤジはどうかと思うけど(こういうのはもう時代もあるしわたし自身の視点の変化もあるし、いまとなってはフェミニズム的観点抜きに作品を観るのは不可能ですが、細かいところはあえて触れずにおきます)。なお探偵が警察に捜査協力するのは、非現実的ではあっても、わたしは神恭一郎で慣れているので違和感ありません。

あとお金持ちもいっぱい出てくるけど、お金持ちがキャラの行動を容易にさせることは『キャッツアイ』の頃から(っていうかたぶんそれよりずっと前から)わかってることなのでこれは既定路線。

年を追うごとにコナンくんの運動能力がどんどん常人離れして発達してくのもカッコイイ。アニメの技術の発展に応じてアクションが伸びてるので、見応えがあります。劇場版の何個めかで(←雑)車からはみだして空を飛ぶアイちゃんのすぐ横でクリスタルの彫刻がすれ違ったのとか、コナンくんの蹴ったサッカーボールでビルが倒れる(うろ覚え)ときの隕石が降ってきたような怒涛の展開とか、スケボーでレインボーブリッジ??の上から落っこちる時のアクションとか、特によかったです。

 

絶対違うと毎回思うのは、猫が出てくるときです。街中で猫探しとか数回あったけど、アホか。絶対見つからんから。猫、人が寄ってくと(っていうか寄ってく前の気配感じただけで)逃げるのがデフォだからね。たとえ家の中の猫であろうとも。原作者はすごい物知りなのに猫のことだけはほんとなにもわかってない、と毎回思います。

 

とにかくコナンくんは、情報先行で子供のくせに理論に偏りすぎてて、しかもたぶんそのせいでめっちゃナマイキだけど、歌を歌う以外のことはほぼなんでもできて、たぶん大きくなったら料理もすごく上手だと思うんですよ。いいですねぇ、NCISの捜査員ぽい。あるいは肉体派でない海兵隊員というか(なんだそれ)。

あーよかった、この漫画に理系の天才がいなくてハマる要素なくて。公式(しかもアニメのみ)にしか触れてなくても、流してるだけでもこの量なので、これでこのネット時代に二次の沼に突っ込んだり自分でかいたりしてる方々、体力だいじょうぶなのかな。

以上、コナンくんに関する、わたしのとっても雑な感想??でした。