雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密の時間の交錯

 

前回FDのことをちらっと書いたので久しぶりに画像検索なぞして眺めてみたのですが、やっぱエロカッコイイですね、あの車。たまらんな。

うちの連れ合いは実際に運転するタイプの車好きで、わたしと出会う以前から、けっこうな種類の車を制覇してきました。これは以前、アウディを中古で買ったときの話です。

 

そのアウディはワンオーナーで、リサイクル券みたいなのがついてて、これはたぶんいまの車には車種を問わずついてるやつ。それに前のオーナーの、名前も住所も書いてあって、個人情報もへったくれもないな、と思ったそうです。

思ったんだけど、ぐーぐるアース大好きおっさんのうちの人、前のオーナーってどんな人だろ、と検索して、ストリートビューで見に行ったそうなんです。そしたら、都会の上流階級のめっさオサレな高級住宅街のお金持ちの家に、自分が今乗ってるアウディが置いてあったのを見た、と。住宅街も立派だしおうちも立派だし、車も立派だし、感慨深かった。とのことでした。

 

 

今回わたしが言いたいのはここ。 ※ちらっとネタバレあります

これさ〜、『ミルキーウェイ』じゃん。涙

 

過去を覗き込んで在りし日々を見る。たまに聞く話だけど、ストリートビューでは。

うちもね、二年半まで住んでた貸家、ぐーぐるマップでまだあるんですよ。現実ではもう解体されて更地になってるけど、マップの写真は2011年11月だから、昔の家のままなの。

ああこの写真の家の中には、亡くした猫がまだいるんだ。と思うと、写真の中のドアを開けたくて胸がしめつけられます。エレナ、よくふっつーにニコニコと昔の地球をのぞいてられたな。

 

亡くした人をぐーぐるで見かけるって、めったなことではないんだろうけど、そっかあ車とかモノだったらあるのかもね。って思ったら。

薪さんはこういう、引かれる後ろ髪を自分でむしりにいくようなことはしないだろうけど、ふと見てしまった科警研のマップに、いそうじゃん鈴木! ありそうじゃん奴の車。これから帰ろうと、雪子さんのいる部屋に帰ろうとする鈴木が、運転席に乗り込んだばかりで座ってたり、してそう。

一瞬固まって、でもなにごともなかったかのようにそっとサイトを閉じたりするのかな、薪さん。あの方、そういうところはほんと強い。

わたしは無理だな、まずそのページのスクショ撮るでしょ、角度変えて撮るでしょ、それからそこをブラウザのスタートページに設定する。常に1個ブラウザのウインドウを開いておいていつでも眺める、なんならそのうちそれ専用のiPadとか作るよ。しつこい性格なもので。

 

うち周辺がぐーぐるに撮影されたのは11年前です。『秘密』では「悪戯」まで来ても、鈴木の死からそんな時間はたってない。「8年のつきあいの俺」ですもんね。ましてや本編の頃なら、漫画内で経過した時間はほんの数年なわけで。

ガイナックスOVAトップをねらえ!』で、亜光速で暴走する宇宙船に追いついた主人公ノリコが、「この船の中では(事故から)まだ2日しか経ってない」と、中にいた船長を探すシーンがあります。地球では10年ほど経過しているのですが。あの焦燥感!! わかる! 時間が物理的に交錯するこういう現象はSFであっても、ネットの中にはそれを疑似体験させてしまうような出来事がときどき生じます。

 

 

そういえば先日、本棚の『メロディ』バックナンバーと『秘密』を眺めていて思ったんですが、「冬蝉」が始まったのって2017年の12月号なので、いまから五年前です。そしてそのさらに5年前の2012年の12月号は、「創世記」第一話ですよ。

え?? 時間の間隔、バグる……。「悪戯」の掲載期間って、長かったんですね。わかってたけど。本編、薪さんが登場してから最終回まで、現実の時間で11年半だったけど、「シーズン0」が始まって既に10年です。いつのまに。

 

 

しばらく前から連載再開の告知があった『HUNTER×HUNTER』(ゼブラックで読めるぶん全部、暗黒大陸編の途中まで読みましたが、とくにキメラ・アント編は結局あっさり退治したわりにしんどかったです)は、ついに再開したそうです。

 

冨樫先生、腰を痛めて日常の動作がすべてゆっくりしかできない状態で、横になって描いてるそうです。読者は泣いて感謝せねばなるまい。

いやもう、気が遠くなりそう。そんな日常を想像するだけで。からだがそれでは当然猫さまのお世話なんかできないし、猫さまと暮らせなかったら精神崩壊するし、自分がそうなったら「人生終わった」って思う。

どうか清水先生がご無事でありますように……ハンターファンを思えばまだ全然待てます。