雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

SS「宇宙のごきげん」

 

こんばんは。

またペンギン柄のパジャマを買ったんですよ。

 

これを(これじゃない)青薪が着てます。

なみたろうさんちの仲良しペアルック、もといパジャマシェア青薪をごらんください。

 

みなさん薪さんのパンツばっかり気にしてる場合じゃないですよ。

パジャマが拾ってる腰の反ったラインと、絶妙なカーブの唇と、膝を抱える指の具合(←もっとうまいこと言え)が、オリエ的推奨ポイントです。

あとわたしは実は青木のヘソのほうが気になって拡大しました。

 

この薪さんは、コメントのやり取りを拝見したところ、赤くなってるのに薪線たってて瞳孔開いてて(つまりある種ラリってるってことですよね、なみさん)、あと青木にもたれかかってるそうです。

だから(?)頑張ったよオレ! 

薪さんが機嫌が悪いにも関わらず余裕ぶっこいた微笑の青木。この状態の謎を考えていて、ただ単に青木の無体に怒ってるだけじゃあるまい、と考えたおはなし。

 

折りたたみのあと、5分以上かけて直したバージョンです。ほぼノータッチだったパジャマも取り込みました。

タイトル、うまく考えられなくてヘンになった。あとで直すかもしれないけど、いったん上げちゃう。

 

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宇宙のごきげん

 

 運用年数を超えて引退した宇宙望遠鏡の、大気圏突入による廃棄のようすが、代替わりした新しい望遠鏡と高性能耐熱カメラによって、同時立体的に生中継された。という話だった、日本時間の明け方に。

 「俺は何度か声をかけたんですよ」

 既に陽は高く、だらけた土曜日の午前の空気に青木は満足していた。だがショーを見逃した薪の機嫌はよろしくない。脱ぎ散らかしたパジャマの上を横取りして羽織り、青木が頬に寄せた唇にもぷいと背を向ける。

 「起こせって言われたから。でもあなた爆睡してて」

 「誰のせいだ」

 「ゆすっても、「うるさい触るな」って」

 「誰のせいだ」

 「いまごろネットに上がってますから」

 「僕は同時中継で見たかったんだ。誰のせいだ」

 そりゃまあ夜中じゅう眠らせずくたくたにした、俺のせいだよな、とは思う。

 落下に従い大きな鏡が何千何万というかけらに砕け散って、その一片ずつが炎を巻き上げ相互に反射して、ダイヤモンドダストのように燃えて耀く。そんなでたらめな想像が端っから間違いなのは重々承知していても、薪の過剰な期待とそれを語ったきらきらとした瞳が、青木の妄想と欲望をかき立てた。

 僕は朝早く起きるから、今日はさっさと寝るぞ。そんな物言いを受け入れて、流れ星みたいに自分勝手できれいな恋人を、モニタにくれてやれるわけがない。

 「ごきげん治してください。コーヒーを淹れますから、このままベッドで、大きいほうのiPadを出して。部屋の電気を消して、6時間前の明け方だと思って、一緒にNASAのサイトを見てみましょう」

 「おまえとは見ない」

 「なんでですか」

 「見物の邪魔するだろ……」

 大きすぎる寝巻きの袖をつまんで出した指で、拗ねた子供みたいに小さな膝小僧を抱えている。くらりと傾いたその背中を胸で受け止めた。俺のパジャマ、返してくれないんだな、と思う。自分のはちゃんと足元にあるし、俺があっちを着るのは無理だってわかってるのに。

 「コーヒーは、どうします」

 「……もらう」

 首を傾けてまた顔を近づけた。今度はキスも拒否されなかった。

 

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