いつもエロ漫画ばかり出てくる「マンガパーク」のポップアップ広告に薪さんがいました。
カンテレ? ←関西テレビだった、初めて聞いた
見慣れた画でも違う場所で見ると嬉しいのよ……オタク心理をくすぐられるというか逆撫でされるというか。まあ読者が増えるのは良い。
追記:こんなのも出た。
今回も名前の読み方も知らない。
無印増量なのにシーズン0のイラストなのは、青薪を並べたかったからでしょうか。
さて、ここのところアマプラで、『S.W.A.T.』と『シカゴ・ファイア』を観ていました。どちらもちょうどコロナに入ったあたりのシーズンまで観ることができました。
10年くらい前のドラマに比べて変わったなと思ったのは、一度は出てくる差別問題が古典的な女性差別と黒人差別に揺り戻しがあったこと、かつその二つが結構大きな恒常的なテーマとして作品内で扱われていることです。
性的指向(LGB)についてはもはやあって当たり前の扱いで、消防士というマッチョな男らしさが際立ってた職業でもゲイがいる。『S.W.A.T.』に至っては3人(男×女×女)での恋愛・同居を目指すレズビアン寄りのバイセクシャルという複雑な捜査官が出てくるんですが、キリスト教保守派の同僚がそれを(同調はしないものの)批判せず励ましていたのが、びっくりでした。そこらへんはもうドラマでは差別の対象として扱われない。
上の二つを観たあとはいま、もっとも有名なアメリカの捜査機関のひとつなのになぜか常に脇役扱いのFBIがやっと主人公になった『FBI』とか見てるんですが、そこも同じで女性差別と人種差別は根底にテーマとして流れてます。ただしドラマの中の女性は上長にも多く、社会的にかなり強くなりました。
あと上述の二つでは、以前と違ってトラウマが大きなテーマとして扱われていました。
『シカゴ・ファイア』では引退することを決めた消防士が、現役時代に駆けつけた大変悲惨な、ここで書くのも憚られるような事故の話を爆笑しながらするんですが、それがどうしようもないPTSDになっていることがそれゆえに明らかになります。
『S.W.A.T.』でも暴走した殺人犯に通りすがりに殺された親子の、遺体の状態が悲惨過ぎて画面にも出て来なくて、その事件を追った隊員たちは全員カウンセリングを受けてました。引退した隊員が心労から自殺しようとしてたのを止めるために現役隊員たちが奔走する話もあった。
どちらも、職業に伴う不可避的状態みたいな扱いでした。
この一連の話を観てから、初期の「第九」の状態に対する解像度が上がりました。いつかなにか書けるかもしれん、蕁麻疹が無事おさまって書類が減れば。
アメリカっていうかディック・ウルフに作ってもらいたい、『秘密』のドラマ。そしたらわたしもアマプラで観る。課金する。
いい仕事すると思います。多少アレでもなまじ外国産ならいろいろ諦めがつくし。フランス版実写『シティー・ハンター』みたいに奇跡のリスペクト作品ができる可能性もワンチャンある。
※ディック・ウルフ:20年続いていったん休止後に最近再開し現在シーズン24を迎えているアメリカの最長老ドラマ『ロー&オーダー』や、『シカゴ・シリーズ』のプロデューサー。『CSI』大好きのわたしが、『ロー&オーダー』のほうが面白い、と思ってしまった作品。いまは同じくウルフの『FBI』もおもしろいです。
ブラッカイマープロデュースのCSIシリーズ最新作『CSI:ベガス』も、10話しかなかった第1シーズンを見ました。10話を通して一個の事件を解決してた、間にいくつか他の事件も挟んで。
その形式、まさに無印の『秘密』じゃん。とりあえず構成を考えてみました。過去の事件は本事件中のセリフや小物やエピソードから繋げたりするというよくある手法で、『LOST』的(←みてないけど)フラッシュバックやフラッシュサイドウェイを多用します。鈴木がいっぱい出ます。
ディック・ウルフ版『 The Top Secret 』
1(パイロット)ジョン・B・リード大統領暗殺事件
+最後にシンポジウムに参加する薪さんのお姿あり
2 少年9人自殺事件1
青木登場 〜貝沼の映像登場まで
3 挿話:薪さんと鈴木の出会い、大学での事件(ドラマオリジナル)
4 少年9人自殺事件2
挿話:貝沼と薪さんの出会い、28人連続殺人事件、鈴木射殺
5 少年9人自殺事件3 解決
6 小島郁子
薪さんと岡部さんの出会い
7 天地奈々子誘拐殺人事件
挿話:「第九」発足 +過去のMRI捜査2(ドラマオリジナル)
8 絹子
9 チャッピー
10 私鉄
11 浜田葵
13 コピーキャット +過去のMRI捜査4(ドラマオリジナル)
14 千堂咲誘拐事件1
15 千堂咲誘拐事件2
16 地震
18 データ消失
ラストサパー
19、20、21 エンドゲーム +過去のMRI捜査7(ドラマオリジナル)
22 エンドゲーム終わり
エピローグ一期一会
第二話の捜査員ズ登場シーンとか、目に浮かぶようだよ……
以下、ドーナツの箱を抱えて配り歩く新人・青木と、それをつまんでもぐもぐやりながら青木をあしらう宇野さん。
「MIT出て、やることが毎日毎日脳内画像を覗き込む装置の整備とか、俺の才能はほんとに世間に活用されてんの?」
「俺だって今度博士号2個いっぺんにとるところですよ」 ※『ボーンズ』1話で聞いた若造のセリフ、これなら博士号5個くらい実際そこらへんにいそう
「薪さんに憧れて、希望して異動してきたおまえはいいんだよ! 法学と犯罪心理学なら全員が学位程度は持ってるからな。自慢はITガイの俺の手を煩わせなくなってからにしろ」 ※アメリカのドラマの捜査機関には基本的に天才しかいません
「そんな、先輩たちのことは尊敬してます。ビシバシ鍛えてください」
「それなら最初の仕事を与えてやろう。隣の所長室で寝てる薪さんを起こしてこい」
「え。え……えええ。この人が、薪警視正……??」
鈴木との過去の事件も、ありもしない記憶が出来上がっていきます。いまヒマで体力余ってたら脚本書くところだった(そして脚本の勉強とか新たな沼に足を突っ込むところだった)。
全米大ヒットの様子しか想像できません。
ただしアメリカのドラマも日本人というか非アメリカ人が登場すると急にセリフがヘンになったり、アジアの他の国の俳優が起用されて発音がおかしかったり、社会や文化に対する解像度が低くて妙なセットや小物が出てきたりするので、フランス版実写『シティー・ハンター』みたいに(二度目)アメリカの俳優でいいです。
とにかくウルフ版『秘密』、個人的に楽しいので、これからは「ドラマ化」という文字をみたらディック・ウルフが作るんだという妄想を勝手に拡大していこうと思います。