雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密の労災認定2

 

こんばんは。

労災の同僚(←ヘンな言い方)、あまりのめんどくささに人事に駆け込んだそうです。

そこで尋ねたところ、労災だと認められたからといって、会社にも同僚にも特に大きなメリットはないとのこと。それなのになぜ労災の申請をするのかについて、雇用者側としてははっきり言うわけにはいかないようで、同僚が取り下げてくれといってもすぐウンとは首を縦にふらない。濁された言葉を解釈するに、

「労災の可能性があるときに事業者側がそれを握り潰すことを防ぐためにやる」

「同僚が「どこで感染したかわかりますか、職場で感染した可能性はありますか」という質問に「わかりません。あります」と答えてしまったから労災の申請をしている」

そうで、やっと事情がわかった同僚は、その場で

「よそで感染しました! 職場で感染してません」

と宣言し、無事労災のめんどくさい書類とめんどくさい手続きから解放されたそうです。

 

わたしが以前職場に迷い込んだワンコを保護しようとしてかまれたときは、保護したのは総務から

「どうぶつならオリエだろ」

と仕事とは無関係に指名を受けたからで、念のため病院に行ったらその場で労災と断定された、ような記憶があります。勤務時間中に職場で、雇用者側から指示されてやったことによる怪我だったから、かな。

そのわんこは近所から脱走しただけだったものの、知らない場所に迷い込んでパニクってしまったのでした。わたしは猫さま捕獲のためのトラップや折りたたみ式キャリーやカリカリだけでなく、わんこに遭遇したときのために折りたたみケージやわんこの首輪やリードも常に車に積んでいます。それらの秘密道具を使ってかじられて出血しながらも捕獲に成功しました。

そして当時まだ使っていなかったついったで他の誰かが「わんこ逃げた」という誰かのつぶやきを発見し、そのにんげんはすぐ見つかったのですが、捕獲した当のわんこは首輪はしてないしあろうことか狂犬病の予防注射もしてないしで、まあちょっとどうかと思ったものでした。そのにんげんが取引先の人だったため、暗黙の了解で大ごとにしない、となったんだけど。

 

 

労災といえば思い出す、CSIの殉職。 ※ネタバレあります

オリジナルのベガス編の第一話は、新人捜査官が「職務中に死んでも文句言いません」という書類にサインさせられる話から始まります。まさがそれがフラグだとは……なんと勤務第一日目で殉職しちゃうんです、その若い捜査官。

危険を伴う仕事では、あるんでしょうね実際、なんだっけ「死んでもそれに伴う通常の(損害賠償請求などの)権利は、自分も家族も放棄する」みたいな書類。

 

で、薪さんというか初期の「第九」を思い出す。

滝沢が

「命懸けの任務に就く際「決心」の鈍る原因となる「愛する家族」や「子供」をもたせないため 「家族」をもつ事を望まれない人間が—— 肉親のいない人間が就く任務が 薪のような立場の人間が未だいるんだ 警察には」

と言ったほど危険だった、初期の「第九」

あれは鈴木さんが結婚しない理由として語られたのだから、つまり鈴木さんが(滝沢の談によれば)滝沢の策略にはまって薪さんに撃ち殺される前で、少なくとも鈴木さんは(国を裏切っていた)上官に、MRI画像を見るのが仕事の「第九」の仕事について、カニバリズム事件の映像をみたあと、「「現行の『事件捜査に伴う守秘義務の重責と危険性』を捜査官達に総て背負わせるのはシステムとしておかしい」等と直訴し」ていたわけで、つまり鈴木さんはその後薪さんが大国から命を狙われるようになったその危険性を、察知していた、ということなんだと思います。

うんまあ笑顔を見たいばっかりに延長料金、じゃなかった深夜料金を払い続けてきた愛する親友が、「第九」の室長という立場からそんな危険にさらされると考えたら、自分の結婚どころじゃない、と思うのはまったくわかる。実際には映像を観て直訴した自分が先に標的になってしまったわけですが。

 

でも「第九」の現場はモニタールームだから、設立当初はそんな危険な場所だとは誰も考えてなかったと思うんですよ。薪さんも広報誌でめっちゃニコニコしてるし。

逆にいまだったらもしかしたら、「第九」の各八管区に務める捜査員たちは、「死んでも損害賠償とか請求しません」的書類に、サインさせられてるかもしれないですね。危険度はむしろ昔より低くなったけど、鈴木さんや薪さんや、青木の家族の前例があるから。

 

わたしはどうかなあ(と本気で自分のことを考える)。

自分が想定する勤務先は第二管区なので、上司としての宇野さんを尊敬はしても、彼のためにすべてを投げ出す気はありません(宇野さん(にんげん)も迷惑でしょう)。でも自分の上司が薪さんだったら、そんな人と一緒に世界の平和のために働けるなら、サインしてもいいかと思う。青木っぽい発想で危険ですけど。

だって自分が死んで困るのは猫ずとわんこだけなので、労災とか損害賠償とかで金をもらってもあんまり意味ないでしょ、どっちみち。死にたくはないけど、死んだあとになにかくれると言われても、別にあまりいらん。

とはいえもしも「第九」に入るための条件のひとつがそういう書類へのサインなら、ほかはどうか知らんけど波多野ちゃんの忠誠心と国を守る誇りはすごい、となぜか波多野ちゃんしか思い浮かびません。

 

 

ついでなのでコロナの感染に戻りますが、青薪の場合。

もしも青木が公式にあるように出張で第三にやってきてそこで所長室とかに呼び出されて密室になり、その後二次にあるように薪さんちに泊まって濃厚でしあわせなセックスをして、前回の労災の記事のように青木→薪で感染した場合、当事者ふたりは濃厚なセックス(連呼します)のせいだとわかっていても、周囲は「ドア閉めて所長室にいたよな」って思うよね。

一昨日のセミナーでも、

「三密っていうけど大事な要件としての「時間」をみんな忘れてる」

って話があり、感染した同僚も保健センターから、外出先での人との接触時間を聞かれ、狭い密室だったけど接触は5分、と答えたら、問題ないと言われたそうです。

薪さんはそうやって

「青木が所長室にいたのは10分程度だし、2メートルとは言わんけど近くなかった」

と労災を否定しますが、なにせ感染してるんで、説得力ないですね。山城とかが騒ぎそうです。その後ろでいろいろ察した岡部さんが冷や汗かいてそうです。

山城 「別に青木室長を責めてるんじゃないですよ。薪さんが仕事での感染を素直に認めてくれなかったら、オレらが捜査中に同じ目に遭っても労災の申請をしにくいじゃないですか」

岡部 「おまえが仕事で感染したら、プライベートじゃないって俺が証明してやるよ」

山城 「『動物のお医者さん』の梅毒みたいなこと言わんでください」

岡部 「とにかく薪さんのプライバシーには口を出すな」

山城 「薪さんのプライバシーに口なんか出してません、逆っす。プライベートじゃないんじゃないかって言ってんですよ」

岡部 「う、うん」

薪さんのプライベートがからむと弱腰になる第三の忠実な部下。気苦労が多そうです。

 

 

今日は夜はスカイプのバイトの日なのでずっと待ってたんですが、相手が来ませんでした。ログインはしてるようだから、たぶんスマホ片手に居眠りしちゃったんだと思う。待ちながらこれ書いてました。

かくいうわたしも今朝、朝イチのバイトのために早起きしたものの、あまりの疲労感に「このまま出勤したら車を運転しながら確実に寝る」と危機感を感じ、急遽休みました。勤務先や病院(猫の)は車で10分だからぎりぎりなんとかなるんですが、バイト先は20分、朝の渋滞に遭えば30分なので、疲れているときのわたしにとっては大変危険なのです。

 

同僚はコロナで10日も仕事を休まされて、

「仕事を休んでも自分も周りも誰も死なないし、ちゃんと地球は回るって、わかってたけど身をもって経験した。もっといえば別に誰もあんまり困らないってことも、よくわかった」

としみじみ言ってました。

現時点で相当いいかげんなわたしが言うことではないですが、見習いたいと思いますその姿勢。