雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密のコナンくんの猫

 

今日観たコナンくんはキツかった。文句いっぱい言います。

751話ー752話「招き三毛猫の事件」、喫茶ポアロに来てた野良さんをバイトのお姉さん(にんげん)が抱っこして雑誌の取材を受けた、という出だしです。ガラの悪い男が雑誌を見て「俺の猫」だって出てきた時点で話の流れはもうわかったけど、とにかく何もかもしんどい話でした。

 

冒頭、お姉さんが三毛の野良さんを自分の飼い猫にするって言ったときに、子供たちが物知らずのくせにエラソーに「そんなことしていいのかよ」って詰め寄るのがまずもう無理で、ほんといるんだよなーこういうやつら!!

だいたいそもそも田舎くさいとはいえすぐ隣?に大都会がある(??)東京で、人懐こい野良さんを誰も保護しようとしないのが「はあ?? 虐待犯に誘拐されて虐待されるだろ」って思うし、首輪つけてるなんて飼育放棄の可能性が高いことに誰一人怒ったりしてないのも、「元の飼い主がいるはず」とか呑気に言ってる(いたら戻すわけ?? 飼育放棄したかもしれない奴に)のも、ほんとキツイ。

 

アニメ放映は2014年、原作が2013年。原作者、猫っていうか動物に興味ないなら描かないでほしいわ……10年前ならもういろいろ話題があったよ。

2012年の動物愛護法改正の時に、「次の改正の時には赤ちゃんの生体販売について検討する」って言ってたんだから。それを受けて生後8週齢未満の生体のペットショップでの販売規制が始まったのが2019年の改正(の施行後数年後)。2012年の改正では他に、保健所でどうぶつの引き取りを拒否できるっていう改革があって、つまり殺処分を減らす方向に行政がやっと動き出したのがこのとき。これによって保健所の代わりに愛護団体や保護活動者のもとにどうぶつが持ち込まれるようになり、全国の団体はパンク状態になりました。当然、山とか川とかゴミ捨て場とかに捨てる、という古典的な手口も復活したけど。あれからもう10年かあ。

 

あとおばあちゃんが人んちの猫を呼び寄せて寄ってこないからって「あら、ずいぶんシャイな猫なんですね」とか、あのなー猫は普通、他人に寄ってかねーんだよ、犬じゃあるまいし。呼んだって来ないよ。コナンくんは「じっと見てたから警戒した」とか言ってたけど、そういうレベルの問題じゃないから。病院に行くときにすぐ捕獲できる猫は、うちで半分くらい。自分ちの中だって捕まらないのはとてもふつう。

このおばあちゃんは「窮屈そうだから」って猫のキャリーを路上で開けて猫を外に出したりしてて、ああああもうやめて!! ほんと無理。

なんぼ野良だったからってお姉さんが猫を抱っこして移動してるのも、元の飼い主が連れ帰る時に同じく抱っこして移動したのも、正気とは思えない。どっか行くだろ。表で車の往来の音、ずっとしてるんだけど。

結局飼い主の足音を覚えてたとかいうオチも無理がありすぎだった。

 

あと後半で、野良猫に引っ掻かれたっておっさんが出てきました。通りがかりのおっさんを引っ掻く野良さんなんていないよ……猫さんのほうから逃げるから。

他にも、古いキャリーをラッピングするやつなんかいないし、中に猫が入ってたらますますラッピングなんかしないし。あと猫さんはおもちゃを持ってってもそれを宝物の隠し場所に隠したりしないし、「犬と違って、猫がしっぽを振るのは嫌がってるとき」(コナン談)も間違いです。猫さんは感情が大きく揺れた時にしっぽを大きく振るので、穏やかにゆっくり振るのは機嫌がいいときです。「犬と違って」って、あちこち犬と混同してるよ、登場人物のみんな。

コロンボみたいに細かいことに気づいて事件の謎を解くくせに、ほんとこういうところはわかってないな、コナンくん。

 

異常に知識量が多いコナンくん(とその他の探偵たち)、がウリの(←たぶん)ミステリ漫画なのに、なんで猫だけほんとこんな何もわかってないんだろう。猫と暮らしてない、とかいうレベルじゃないよ、三毛猫のオスとか常識的なことは知ってるくせに、前回も言ったけど、街なかを走り回って子供たちが猫探しとか、ありえないことしてるからね。

とにかく猫について調べた形跡が微塵も感じられないんですよね。

 

 

薪さんの、「「動物兵器」にならないのなら特別猫に興味があるあるわけではないし」(※兵器になるなら興味あんのかよ)「動物は好きでも嫌いでも」ないどころか「やっぱり嫌いだ…というよりむしろ積極的ににくい」くせに、まっくろくろすけに「亡くなった」なんて語彙を選んだり、子猫の行く末を心配したりする態度、これねー、保護活動してる側からすると、めちゃくちゃ貴重でありがたいんですよ。

猫とかどうぶつが好きな人なら、大事にしたり敬意を払ったり、場合によっては活動を手伝ってくれたり寄付してくれたりするのは、ありがたいけどよくあることなので。好きでもなければ「にくい」のに大事にしてくれる、こんな貴重な人っていない。

 

 

疲れた。気持ちが。

猫の話をしたので宇野さん(猫)の写真を貼っときます。

下痢してるのに薬の気配を察知してキャットウォークに逃げて隠れてるところ。これがふつう。

このあとおやつに釣られて下りてきたところを捕獲し、無事下痢止めを飲ませました。