雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密の冬の夜空

 

こんばんは。

今夜は珍しく雲ひとつない快晴で、空気も冴えて冬の星座がそれはそれは見事です。

すばるとヒアデス散開星団のふたつの星団を要し一等星アルデバランをもつおうし座と、意外にちっこいオリオン座、こいつにはリゲルと、まだ無事なベテルギウスのふたつの一等星があり、残りもほぼ二等星という豪華さ。これらが東の空に昇りつつあるハイライトで、その周囲は特徴的な五角形で一等星カペラをもつぎょしゃ座、隣に双子のふたご座(←説明)、弟のポルックスと並ぶ兄のカストルは実は二等星ですが、双子特典で一等星のような扱いを受けています。まだ低い位置の山の陰で見えないところにはおおいぬ座シリウスこいぬ座プロキオンが待っていて、この界隈には高緯度の北半球で見られる一等星の実に半数がひしめいています。

 

このようすを示す図がなんかどっかにないかと考えて思いついた。iPadに星空のアプリ入ってた。それをかざして撮ったスクショがこちら↓

真ん中の上のほうにあるくしゃっとしたのがすばることプレアデス星団です。

離れたところには火星と木星もかなり明るくて、今夜は見がいがあります。寒いけど。

 

 

青薪にひとつうんちくでも語らせたいところですが、もう無理、寒いよ東北の夜は。

屋内でぬくぬくしてたら空は見えないし、ここはひとつ都合のいい露天風呂でも借り切ってることにしましょう。温度は高めです。

 

「薪さん、肩が冷えてますよ」

「いいんだ。熱いから熱を逃すくらいで」

「……」

「……あのな」

「はいっっ」

「なんでもすぐ自分に都合のいい、ロマンスとか色気とかで解釈するのはやめろ」

「おっしゃりたいことはわかりますが。でも俺が黙ってると逆に、『今のわかんなかったのか』的な、がっかりした顔とか、からかうような顔とか、見せるじゃないですか。あなた」

「おまえのおっしゃりたいことはわからん」

「またとぼけちゃって。シミュレーションしますよ」

「は??」

「月が綺麗だな、って言ってください」

「——青木」

「はい」

「月が、綺麗だな」 ←ガン見

「!!! まま薪さん……」

「おまえの周りにふわふわ飛んでるハートが鬱陶しい」

「そんなトロンとした目でそんなこと言われたら、ロマンスとか色気とかで解釈しないの、無理です」

「……」

「薪さん!!」

のぼせてくらっとなった(←台無し)薪さんを抱いて支える青木。

「もー、肩も髪もこんなに冷たいのに、なんで胸から下は真っ赤でのぼせてるんですか」

「おまえが、僕が人前で裸になるのを嫌がるから」

「貸切の風呂で何言ってるんです」

「温泉に来るとひたすら湯船に浸かる癖がついちゃったんだよ! 風呂ぐらい好きに入らせろ」

「温泉とか銭湯とか、好きなんですか」

「別に」

「広いお風呂に入りたいんですか」

「全然」

「……」

「おまえが過保護になるのがウザいだけだ」

「のぼせて倒れそうになってる人がなに言ってんですか」

 

もうええがな。どこまで行ってもらぶらぶな展開にならん。

星を愛でさせたかったのにその前にのぼせてしまった。

 

今日はここまで! とにかく寒いよ、星がきれいで温泉日和だよ。

 

でもこんなとこに行ったらそのあとずっとふたりして硫黄くさくなるよ、青薪。