こんばんは。
20日の夕方、わんこと散歩していたら、月がえらいことになってました。
iPad miniの限界ですが、これが満月じゃないとあとから知ってちょっとびっくり。
こちらは21日、見事な満月です。ツレがiPhoneで撮影。
しかしこうしてみると、美しくないなあ、電信柱! 文明国から美的観点においてなくなってほしいものの筆頭です。埋めろ。
中秋の名月の話、去年書いたよね。こちらです。
去年は10月1日が中秋の名月で翌日が満月で、月末に1か月に二度目の満月があって、と印象深かったので、覚えてる。
今年とずいぶん違くね?と思って調べたら、さすが太陰暦、年によって1か月近く違います。
中秋の名月(=旧暦の8月15日)
2020年 10月1日 ※満月は翌日
2021年 9月21日 ※8年ぶりに満月
2022年 9月10日
2023年 9月29日
2024年 9月17日
2025年 10月6日
今年は「8年ぶりに満月」ですって。むしろ満月じゃないほうが多いんかい。
旧暦はつまり月の暦なので、毎月15日は定義的に必ず十五夜です。月の見えない新月が毎月1日となります。でも月の満ち欠けの周期は約14.8日なので、1日が完全に新月でなかったり、15日が完全に満月でなかったりすることが起こるわけです。
月と青薪っていうか、薪さんて、似合いますよね。
「中秋の名月だな」
「………去年は10月1日でしたよね。しかも満月じゃなかったし」
「安心しろ、今年は8年ぶりの満月だ。しかも来年はなんと9月10日だぞ」
「そんなにズレていいんですか」
「去年も指摘したのに、おまえまさか、まだカレンダーに合わせて自然が動くなんて思ってるんじゃないだろうな」
「でも秋分の日とか春分の日とか、ズレたってせいぜい数日なのに」
「それは太陽の運行だろうが」
「太陰暦だとなんでそんなに変わるんですか」
「陰暦は月の満ち欠けのカレンダーであって、季節の移り変わりと関係ないからだよ。おまえみたいな十五夜とか満月とか言葉に先にひっかかる文系が、世界の実態と人間の感覚のズレで混乱するんだ」
「そのとおりです、混乱してます」
「だまって空を眺めてろ」
「薪さん」
「なんだ」
「月が、きれいですね」
「……黙ってろ、って言っただろ」
月と鈴薪も似合いますよね。
「薪。そっちでも見えてる?」
「見えてる」
「うさぎも見えてる?」
「っていうか静かの海と嵐の大洋が見える」
「おまえ視力いいもんな……」 ←そういう問題じゃない
「土星はずいぶん離れただろ」
「離れたから月の光に邪魔されないでかえって見える。輪っかも見える」
「そりゃガリレオ衛星も見える目ならね。薪」
「なに」
「月がきれいだな」
「そうだな。わが身ひとつはもとの身にして」
自分は昔と同じくあなたを思っています、という在原業平の歌です。
たぶんこのあと延々と交互に和歌をあげる。静岡と神奈川に分かれてるときに、会いたいけどまさか会いたいと相互に言えないふたりです。