こんばんは。
今夜はどこから説明したらいいのやら……
ええとまず、なみたろうさんが餃子を作ったんです。
なぜ1日しかない休日にこんなことを始めたのか。 pic.twitter.com/wSkyqnNHtp
— なみたろう (@namitaro128) 2021年8月6日
そしてその理由が、 青薪舞の家族団欒のためである、と認定されたんです。
綺麗な整列✨👏🏻
— ERI (@erie27128) 2021年8月6日
休日にこんなことをしてしまったのは、
青「ハイ!焼けましたよ餃子!パリッパリの羽付き!」
薪「羽付きってパリパリが口に刺さってーー」
青「(フーフー)どうぞ、オレの餃子美味いですよ!😊」→はいアーン
薪「…(アーン😲)」
舞「⁉️😳いいな行ちゃんだけ!😖舞もしたい!」
※続きがありますのでぜひついったまで飛んでください
さらにその夜の青薪について、課題が出されたんです。
これ模範解答は織江さんが出して下さるんじゃないですかね🤫
— ERI (@erie27128) 2021年8月6日
設問は、
・餃子
・あーん
・お行儀が悪い
・おくちを開ける
パリパリの羽付きも入れてみましたが、弊社の青木はどうしてもSになりませんでした。
今日締め切りの仕事を仕上げるのに必要な書類がさっぱり届かず、仕事のかたわらっていうか興が乗って書いていたら、つまりこんな感じ:
わたしに書類を出さなければならない複数の若い人々
↓
資料となる複数の書類を待つ管理人
それがないと自分の書類が作れない
↓
事務方のケイちゃん(=今日締切ですよ、と電話くれた)
作れない、ことを口実に、夜中までずっと仕事と猫とついったをぐるぐる回ってたら、ちょっと長くなった。
青薪舞苦手なので(=自分ではうまく書けない、という意味)どうなることかと思いましたが、事前にネタを提供していただいていたため、なんとかなった、ような気がします。
なみたろうさんの餃子のツリーにもページメーカーで貼っておきました。餃子のオンパレードですww ←ここに至るまでの展開がほぼお祭りだったので、ぜひツリーを追いかけてお楽しみください。
折りたたみの後、一気読み?のためのベタ打ち版です。
なお薪さんが舞に読んでやった本はこちらです。
煽ってくださった??ERI さん、なんか書けちゃいました、ありがとうございました!!
* * * * *
パリパリの羽付きを味わうための一考察
改装したときに、長い廊下を渡った離れに浴室のある客間を作った。ゲストが気兼ねなく休めるようにというのが本心だったが、脳内で想定されていたその客がもともと薪だったので、ちょっとした呆れ顔と白い目までが予想された範疇だった。
アルコールが多めに入った。顔に出ることはなくても、多少はしゃいで見えたのはそのせいだったのだろうかと思う。舞のほうは手作り餃子の折りたたみ合戦で興奮しっぱなしで、薪ちゃんに食べさせるんだ、とそもそも朝からテンションの高さが半端でなかったため、寝付くのは早かった。
「あの子、あなたと一緒に食事ができるのを、二週間も前から楽しみにしてたんですよ」
「何が嬉しいんだろうな。おじさんの上司のおじさんと相席なんて」
青木は台所を片付けたあと、酔った薪に対する心配を口実にして、離れで一緒に風呂に入っていた。湯船の縁に頭を預けて目を閉じた恋人を、寝るならこちらで、と前に抱いて、洗い髪をかきあげた。
あらわになった額がなまめかしくてくちづける。いつも不思議だった、この人を限界まで突き崩したい、その瞬間しか見られない顔が見たいという情欲と、ただ黙って安心したように眠る姿を守りたいという気持ちと、そのふたつが同時に折り重なって湧いてくることがある。
「舞はあなたがあの子を大切に思う気持ちを、ちゃんと感じ取ってるんです」
「ふうん……」
「何を読んでやってくださったんですか。俺が洗い物してたあいだ」
「『世界を変えた17の方程式』」
「嘘でしょ」
「だって僕が持ってきた本がいいって言うから」
「理解できたんですか。小学生が」
「安心しろ、最初の方程式に入る以前のまえがきで寝落ちした」
日本酒が入った状態で長風呂はよくない。青木は薪を抱き抱えて一緒に湯の中から立ち上がり、並んで浴槽に腰掛けた。
「無理してたんじゃ、ないですよね」
「なにが」
「舞まで、あーん、とか」
「子供よりおまえのほうが問題だろう」
「まさかほんとに手から食べてくださるとは思わなくて」
「猫かよ」
猫よりよっぽど難しいですけど、とこれは心のうちに留めておいた。
「初めてだったんだ。ああいう、手作りの」
「あ。ほんとに?」
「ちなみに餃子そのものは二回目」
「えええ」
青木は本気で驚いていた。「あなた、庶民的な経験って意外にあちこち欠けてますよね」
「僕がラーメン屋に入ったりすると思うか」
「いくらなんでも、学生時代に鈴木さんと行ったでしょう」
「だから、それが1回目」
ああ、と青木が納得した。
「じゃあ今度俺と行って、三回目をどうですか」
「バカだな、最高の手作り品を知ったあとで、なんで店のを試す必要があるんだ」
薪が立ち上がってざぶざぶと水面を揺らし、広い胸の前に立った。それで同じ顔の高さとはいかないけれども、肩に手を載せ、さっき青木がしたのと同じく、額に唇を寄せてきた。
「お返しだ」
「俺、餃子臭くないか心配です」
「ほんとバカだな。同じものを食べたのに」
薪はひどく機嫌がよかった。「浦霞」のせいだけではないだろう、たぶん尋ねれば否定されるか黙り込むかだが、食卓を囲んだのが嬉しかったにちがいない。あるいは人生で二度目の逸品が、親友との思い出と、新しい記憶と。
瞳が一瞬うるんだと思った。細めた瞼は、欠如した羞恥心への諫めとか矯めとか、自制に従わないことへのごまかしだったのかもしれない。
「薪さ――」
柔らかい唇が耳朶を辿り鎖骨を滑りおり、折った膝に従ってあっという間に臍まで下った。両手の指が太腿と脇腹にそれぞれかかって掴まれた。夕餉の席で開けるように促された口は、いまそのときよりも大胆で繊細にひらかれて青木を包み込んだ。また沈んだりしてのぼせるんじゃ、となけなしの理性を保とうとしても、一気に吹き出した汗にむしろ自分のほうがあぶない。
「ま」
「dまってr・o」
「お行儀が、悪いですよ」
まだ抵抗して何か言おうとしたその舌も、他のことに忙しくてもうまともな語彙を発しない。
お返し、だって? 背の順みたいに並んで座ったテーブルでぱくぱくと、両脇から差し出される箸にためらいもせず食いついた。怒鳴って叱って、戦って、いつも厳しい言葉を発するその場所が、この家のダイニングで、風呂場で、シーツの上で、何のために開かれるか、世界中でふたりしか知らない。
「まき、さん」
ふうと大きく息をついて熱を逃す。たまの眺めだ、惜しいけれど、酔った勢いにするのはもっと惜しい。「あがりましょう」
なぜか不満そうな恋人を抱き上げて、大きなタオルでくるむとそのままベッドに運んだ。まなざしがとろけだして四肢から力が抜けていく。
「まだ、眠らないで」
「……ん」
「俺に甘えてください。もう少し」
開けた窓を通る夜風にも引かない汗が、水滴のレースになって白い肌を覆っている。模様をつなぐようにそっと爪でなぞると、薪が背中をひねって甘い声を漏らした。
「あおき」
「はい」
「大丈夫、いい匂いがする。いつだって、おまえの」
「え」
「だけど何もかもデカすぎるんだよ」
「な」
「パリパリの羽付きが刺さって――」
寝ぼけた物言いを途中で塞ぐ。とんでもない口だな、まったく、と情欲と庇護欲のはざまで舌先を絡め合う。
「閨で惚けるなんて、お行儀が悪いですよ」
我ながら妙なことを言ったと思ったが、自重できたのはそこまでだった。ふたりの体温と夜の空気が墨絵のように混ざり、部屋を混沌が満たす。この人を家族として迎えたくて巣作りをした。そのために整えた客間を目的通りに使おうと、青木は咲き誇り始めた薪のからだをそっとひらいていった。
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