雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密の階級

 

こんばんは。

出戻りペアの今井猫と山本猫は、やっぱり仲良しです。猫ステップでくっついておひるね中。

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今日は警察官の階級と階位の話を少しします。 

管理人が前回(30年前)にオタ活していたときの対象は故・和田慎二先生で、主な作品は『スケバン刑事』でした。高校生を「学生刑事」として登用し、警察から見ると半分治外法権みたいな場所である「学校」内の事件を解決する、というアクションミステリです。

 

 

いきなり余談から始まってさらにその余談に逸れますが、管理人が大学生やってたとき、所属していたサークルの部室の「隣」が、「戦争と天皇制に反対する会」通称「反対する会」の部室?でした。規定(=ストレートで卒業した場合の倍)の年月(=つまり8年、修士課程に進学すれば12年)学校に居残っている、という噂のあったナントカさんという、それこそハイドもといhyde(? すみません芸能人を知らないんです)さんみたいな、というか当時のわたしの感覚としてはロビー・ネヴィル=ギリシャ彫刻、みたいな美形の左翼活動家が、会の中心人物でした。

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↑ ほんとこんなみてくれだった、ファンで「反対する会」に入って左翼活動する女子がいたほど

 

管理人の出身校は当時やたら左翼の残存学生グループが多くて、全国的に見ても「学生活動最後の砦」と呼ばれていたほどその動きも活発でした。が、左翼同士は仲悪いんですよ。中国とロシアが仲悪いのと同じ(たぶん)。

で、ある日その「反対する会」の部室が、革マルかどっかに放火されたことがありまして、延焼で我々のサークル室も被害を被りまして。

※ 我々のサークルは平和な文化部でした。反対隣は確か「歌う会」、棟続きにはトライアスロン部もあった。「反対する会」は完全に浮いてましたが、でもキャンパスのど真ん中、講義棟の隣に部室棟が並んでるような学校だったので、学生当時は違和感なかったな。

 

放火なので警察の現場検証が入ったのですが、被害者は反権力志向の左翼だし現場は学校だし、ということでなかなかやりづらかったらしく、朝の5時頃にやってきて6時頃には検証が終わって、おまわりさんズ全員撤退してました。

朝に弱いわたしがそれを知っているのは、徹夜で遊んだ帰りに仮眠をとるために学校に戻ってパトカーに遭遇して、焼け焦げのある部室で別の徹夜組から顛末を聞いたからです。

 

以上、ことほど左様に「学校」は警察にとって難しい場所であり、少なくとも当時の社会情勢では「スケバンを学生刑事に登用してこき使う」(←あっ ここにつながる話題だったんかい)というのはかなりリアリティがあった、ということの背景です。

 

 

話を戻します。

和田先生の漫画の中で学生刑事というシステムを作ったのは、警察の裏の実力者的存在である「暗闇警視」と呼ばれる人物です。

こんな人 → f:id:orie2027:20191010233047j:plain

漫画では最高権力者=総監、から数えて偉いほうから3人目、くらいの印象だったんですが。

警視……たいしたことなかったんじゃん。と思いましたね薪さんを見て3秒で。初登場でいきなり警視正だからね33歳の薪さん。

 

さらにいにしえの大ヒットドラマ『西武警察』。

これもかなりハマってて、中学生の頃に同級生と、「リキの殉職シーン」の再現とかやって遊んでたのですが。

主人公?の大門警部(これもぜんっぜんたいしたことない階級ですね すみません)の妹に、ドラマ終了の直前に彼氏ができるのですが、それが大門の部下なんですよ。 なお役者は石原の息子でした そんでその部下が、たぶん立派な上司の身内を嫁にもらうために出世せねば、とか思ったようで、一生懸命勉強して昇進試験受けて合格して、山さんみたいなおっさん先輩に「あいついきなり警部補だぞ!(スゲー)」とか言われる、というエピソードがありまして。

そうなんだーすごいんだ、と思ってましたが、全然すごくなかった。 世間の警部補さんたちごめんなさい

 

『秘密』を読んでからわたしの中でひっくり返った常識でいちばんでかいものは、この階級のはなしでした。

 

 

関連して、去年ついったで見たネタです。 

 

レファ協とは、図書館の利用者からの質問と、解決している場合はその回答と、解決までのプロセスをまとめてデータベース化しているところです。

漱石のお月さまの話を聞いたのもここです。

crd.ndl.go.jp

再度主張しますが小鳥遊さん宅のストロベリームーンのおはなしはわたしの超ツボなのでこちらで勝手におすすめしておきます。今年も更新(?)されてて3つありますが最初のが特に青木がかわいいです。

 

明治初期の警察の階級のほうは、上のついったからも辿れますが、回答がこちら。

crd.ndl.go.jp

 

明治初期だから江戸時代の流れを汲んでいると思われます。

「警視長」は、なんとなく「大属」あたり?? 出世したら「まきのすけ」とか「まきのかみ」とか呼ばれたのかもしれません。

 

レファ協、いろいろニッチな質問が集まっていて、下手な読み物よりおもしろいです。

 

 

岡部さんが『可視光線』で出世競争についていろいろ言ってましたが、

「「警視総監」と「警察庁長官」2つしかないイスとりゲームであんたに勝つために」

とかって、ああこの人は薪さんが日本のトップに立つ力のある人物であることを信じて疑わないんだな、と思いましたねあそこで。

 

「第九」は特殊な部署であり人事異動が少ない、と認識しているのですが、出世するためには異動しないとたぶん難しい。長官になるには通常次長から、総監になるには警備局か官房あたりがいいようですが、『秘密』としてはおもしろくない。てゆーか異動したら話が続かないですよね。

警視長になった今でも科警研所長という役職を「飼い殺しに近い(※)」と言われてましたけど、実際の科警研は副所長であっても警視監クラスの役職なので、階級に比べればむしろ異例に高い人事だといえます。 だから現場に出たがるのかなあの人

※ 『可視光線』の興信所?の人、「正直官僚のトップまで出世するかどうかは」って、長官か総監でないと価値ない、みたいな物言いで、いっそすがすがしかったです。

 

さらに調査したところによると、

・警視長=キャリアの警察官は採用22年目に優秀な人からこれになる

そうです。22年目ということは、通常通りに大学を卒長して44歳です。薪さんが警視長になって帰国したのは38歳のときなので、昇進としても異例中の異例といえます。そもそも警視正も通常は採用15年目からだそうなので、28歳で警視正になった薪さんは、はっきり言って異常です

やっぱり薪さんは天才だった……!

なお警視長の次の階級である警視監は、50代でなるそうです。薪さんはこのペースだと、こっちも異例で45歳くらいで警視監になれそうです。警視長も警視監もキャリアは普通にしてれば全員なる役職だそうなので、優秀かどうかは上記のように、昇任したときの年齢による、と言えるんじゃないですかね。

やっぱり薪さんは天才だった、えっへん。 ←自分のことのように自慢

 

 

階級から離れて、既に何度か漏らしている管理人の人事構想は、次のようなものです。

 

薪さん:

異例の早さで警視監に昇任後、警察庁というか科警研というか「第九」を早期退職(50歳くらい)。東京医科歯科大学(※)大学院博士課程生命理工医療科学専攻あたりでフェローとなり研究を進め、脳科学の発展に寄与。MRI捜査にかんしては技術と経験を買われて特別捜査官(←未来設定なのでなんでもいい)として関わり続ける。

※ 管理人が医科歯科大にこだわるのには実際的な理由があるのですが、「世間に知られているよりずっと天才が多くて、国に頼らなくても企業からの研究費たっぷりのお金持ちで、最先端の高度なことやってる、日本のジョンズ・ホプキンズ大みたいなとこ」だと思ってください

 

岡部さん:

キャリアではなさそうなので、警備局あたりに移動かな(←かなり適当、岡部さんゴメン)。でも異例の出世で警視長(=ノンキャリアではほぼ無理)くらいには上り詰めそう。

科警研所長は今井さんあたりでしょうか。

 

青木:

第三の室長に横滑りで異動(←誰でも考えてる)。

なおその頃舞はそろそろ大学生なので、北大か北里か麻布あたりで獣医学部に通ってほしい。北里大学なら第二にもキャンパスや研究所がありますから、宇野さんとともにオリエおばちゃんが面倒みてあげます。

 

愛の深さの違いが設定の細かさの違いに出てしまいました。