引っ越し完了から一週間、片付けと通院の合間に遠隔で仕事するようないい加減さでも寝る時間がないほどですが、猫ずは予想外に全然ふつうです。新居にすぐ慣れてくれました。
右側に並ぶタンスのようなケージは、猫たちの飯場です。ごはんのたびに中に入れて食べてもらいます。
手前は宇野さん(猫)。
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さて仕事と引っ越しと病院以外にも、秘密の脳内活動も少しずつ復活してました。
一個前のメロディのあとで、ドイツ語の調査をしました。
妄想も楽しいんですが、またにわかに外国語チェック熱が上がりまして。
自分の中で放置してたウイグル語とアラビア文字を、半端に調査してみました。
まずイントロとして文字の話から。
アラビア文字の場合には、検証しようにもドイツ語とは違った問題があります。見慣れたアルファベットでない、ということが大きな障害です。
わたしがこのことを強調するのは、見慣れたアルファベットでない文字を採用した言語つまり日本語の使用者として、外国人にとってその日本語の文字の、ひいては他のアルファベット以外の文字の我々にとっての、認識・識別・記述が、いかに困難であるかを知っているからです。
職場のカナダ人が書いた日本語の文字をごらんください。何を書いたかを見にくい黄色文字で示しますので、お暇な方は解読チャレンジをどうぞ。
レベル1:文字1個だけだと読めないけど単語なら問題ない(解答:きれい)
レベル2:単語としても困難、文脈がないとわかりにくい(解答:けいこく(渓谷))
レベル3:文脈があってもわかりにくい、文字の切れ目も不明だしもしかしたら何のことかわからない(解答:2こ(2個)、術)
彼はけして特別文字がヘタクソなカナダ人というわけではありません。むしろこのタイプの文字はありがちです。
ひらがなに限っても、書き慣れていない外国人が書くと日本人からは判別し難いことがよくあるペアは、「い-り」「は-す」「あ-お」「ほ-ま」などたくさんあります。
さらに日本語だけがそんなに難しいのかというと、そんなことはもちろんない。
簡単そうに見えるアルファベットでも、キリル文字になっただけでこのありさまです。
こちらは某コナンの某劇場版に出てくるロシア語ネタです。秘密の部屋を開けようとしています。
パスワードとして「きいち こうさか」という人名を入れている場面なのですが、「ち чи」の ч を間違えて у と入れています。「уи」は「うい」です。このパスワードで地下室が開かなかったのはパスワードが合っていなかったからではなく、ボタンを押してるロシア人がロシア人のくせに文字を間違えたからです(と言っておく)。
キリル文字において ч と у はけして似ていませんが、キリル文字を知らない外国人が間違えるのはわかる。しいて言えば先にあげた日本語の「い」と「り」みたいなもの。ちょっと勉強すればわかるけど、知らないと「どこが違うんだよ」と感じる、そういう差です。
※ ついでですが у は本来下にはみ出さないので、ネットからコピペで持ってきたこのフォントのほうが間違っており、ここだけはコナンの字幕のほうが合っています。
なおロシア人の大学生にこの映画を見せたところ、
「そりゃ外人が作った映画なら間違えるだろキリル文字、気にすんな」
という反応でした。
さらに。
以前タイ人にタイ文字をちらっと1時間だけ教えてもらったことがあるんですが、
ชとซって違うんですよ。ดとตも違うんです。
※ 文字はウィキペディアからのコピペです
※ 拡大して見てください
発祥はフェニキア文字(=アルファベットの源流)だそうですが、なぜアルファベットとこんなにも違ってしまったのか。
タイ文字にはこんなのがわんさか、というか知らん外国人であるわたしからするとこんなのしかない。わかるかっつの。もちろん1ミリも覚えてません。
知らない言語をネタとして用いるということには、こうした危険が伴うのです。脳みそ沸騰しそう。
ひと休憩して、次回『秘密』の検証に入ります。