雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

SS「ある猫たちのはなし3」

こんばんは。

一日遅れになりますが、昨日は「世界猫の日」だったそうです。

「うちは毎日が猫の日ですがなにか」というのが、猫飼いでない人に「今日は猫の日だよ」と言われたときに返す常套句なんですけれども、昨日はひいきにしている保護猫カフェからじんとくるメールが来たので、抜粋でご紹介します。

※ メールの設定のせいか、一部黒く見えるところがあるかもしれませんが無視してください

 

* * *(ここから) * * * 

さて、本日は「世界ねこの日」でもあります。 この記念日はカナダに本部がある IFAW(国際動物福祉基金)が制定した記念日です。

日本のねこの日、というのもありまして、こちらは2月22日。この日は、「ねこと一緒に暮らせる幸せに感謝し、ねこと共にこの喜びをかみしめる」日、とされております。

世界ねこの日は、日本ねこの日のように「○○をする日」ということは決められておりません。
みなさま、世界ねこの日は何をしますか?? ←管理人注:二次を書きます

おうちのねこちゃんをいつも以上に可愛がるのはもちろんですが、 今もまだお外の厳しい暑さの中で生活しているねこたちや、 保健所にいるねこたちにも、少しだけ思いを馳せていただけますと嬉しいです(=^・^=)

* * *(ここまで) * * * 

 

たまたまちょうど、曽我猫のことを考えていたんです。

鈴木さんのあの日直前だしそのうち機会があったら、と思ってました。でもメールを読んでしまったらあげたくなったので、あげます。

時期的に空気読んでない感がありますが、短いのでお許しください。

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※「はこべ」のいきさつはこちら ↓

「ある猫たちのはなし2 その翌々朝」

↑ いまさらですがオリキャラが出てますのでご注意ください。

 

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ある猫たちのはなし3

 

 頭を振ってしきりになにかをのけようとしている。青木は薪の頬に指を這わせて、汗で張り付いていた一本の髪の毛をはらった。

 「肌感覚ではわかるんだけど」

 「薪さんの、細くて色素も薄いから、どこにくっついてるかわからないときがありますね」

 「見ても見えなかったりなでても取れなかったり、面倒なことが多いぞ」

 「髪だけじゃないですよ……てっ」

 ピロートークだからと油断したわけでもなかったが、余計なことをつい口にした。「そういえば」

 「殴られたりないのか」

 「曽我さんが曽我猫に載られて、顔や首周りなんかがくすぐったいって言ってました」

 「――名前、「はこべ」に変えろって言ったのに」

 「そのほうがシチュエーション的に面倒だと思いますけど」

 「なぜ」

 想像がつかないならいいです、とばかりに無視する。

 「まだ仔猫なんで抜け毛は少ないみたいですが、ヒゲとか耳とかしっぽとか、萌えパーツにやられてるらしいです」

 「4か月でももうけっこうでかかった」

 「性格はずっと赤ちゃんですよ。きょうだいいっぱいで育って、周りがだんだんもらわれていって、ひとりぼっちになって、寂しいんでしょうね。人間のベッドでヘソ天になって一緒に寝るそうです」

 薪は曽我と曽我猫の同衾を絵面的に想像したらしく、ちょっと笑った。

 「いいな」

 「薪さんは動物と暮らしたことはおありですか」

 「犬を抱いて寝たことはある」

 「毛皮着てるやつですよ」

 「ない」

 くそ、やっぱり俺のことか。

 「おまえは」

 「子供の頃に。あと舞が愛護センターか保護猫カフェから引き取りたがってまして」

 「もう少し大きくなったら、いいんじゃないか」

 「そうですね」

 「曽我は」

 「猫だけじゃないみたいです」

 薪は鈍い部下の長年気にかけていた行く末に、やっと満足したように目を閉じた。

 

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