雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密の外国語 名詞の性

 

こんばんは。

先日、普段あまり接しない外国語のさわりを受講しました。

教える側もプロでもネイティブでもなんでもなくて、「ちょっと見聞きしただけのことを他人に教えてみる」という謎企画だったので、中身も講師の発音も書き文字も相当怪しいんですが。そして終わってみれば中身は全く覚えてないんですが。

でもまったくわからない外国語を適当にべらべらしゃべる講師を聞いてるの、なかなかシュールでおもしろい経験でした。

 

タガログ語の板書。

見ての通り数字で、誕生日をやりました。

 

モンゴル語ハンドアウト。あいさつ。

 

タイ語の自己紹介。

以前ちょっとだけやったことがあって、思ったより覚えてました。概念だけですが。現実の性別によって文末表現が違います。

 

デンマーク語。

ドイツ語と、あとたぶん知りもしないスウェーデン語にも似てる。子音で終わってる語彙のその最後の子音は発音しないようで、そういう現象だけはフランス語にも似てる(ただし講師が素人なのでほんとかどうか保証はありません)。

余談ですが以前、デンマーク系カナダ人に聞いた話。

デンマークには今でも、「バルト海が凍ってスウェーデン人が歩いて渡ってきた場合は、殺してよい」という法律が生きているそうです。中世の覇権争いの戦争の名残なんでしょう。ヨーロッパの軋轢、根深い。

※オランダ系でオランダの話だった気もしますが、それはたぶんわたしの記憶違いで地理的にも歴史的にもデンマークであるはずだと思われるので、記憶のほうをデンマークに修正しときます。

 

オランダ語。前半はほぼ英語でつい笑ってしまった。

オランダ語は、2年ばかり前に仕事で会った「地方の名士」が、その場にいた若い人たちにいきなり「世界でいちばん難しい言語はなんだか知ってるか」とむちゃな質問を投げかけ、みんなが「どうせ日本語って言うんだろこの人」と思ってたところに「オランダ語だ」と自信満々で出してきた言語です。なおそのおじさんはオランダ語を一言も知りませんでした。

 

フィンランド語。

ロシア語同様、名詞も活用します。一緒に出席した他の受講者たちが、誰も名詞の活用を疑問に思わずあっさり受け入れていたのが驚きでした。わたしはいまだに「なんで名詞が活用すんだよ」と突っ込まずにいられません。みんなもたぶん、(フィンランド語でどうかわかんないけど少なくともロシア語では)固有名詞まで活用する、って知ったら拒否感出ると思うよ。

 

 

ところでラ講です。

今年度の後半も無事、2/3を通過しました。今期は最初にお知らせした通り、ロシア語もフランス語もドイツ語もかんたんです。想像ですが、同じ初級でも、かんたんめの初級→ちょい高度な項目も混ぜた初級→場合によっては初級後半(今年度前期のフランス語がこれだった)、というサイクルがあるのかもしれない、と思ってます。

 

で、簡単とは言いましても項目を飛ばしたりしてるわけではないので、講座も後半ともなるとそれなりに難しくなってきます。同時に混乱してきます。

フランス語はbe動詞現在+(一部の)動詞過去分詞で「過去」、ロシア語はbe動詞現在+(一部の(フランス語のほうの「一部の」とはまったく異なる概念での「一部」の))動詞不定形で「未来」、どっちもbe動詞(にあたるもの)は1・2・3人称×単複で6通りに活用します。さらにロシア語の過去は動詞の過去形、でフランス語の未来は動詞の未来形、ってこんなの覚えられるかーー!

おフランス語には過去が3種類くらいあります(あるようです)。活用形多すぎんだよ、ほぼ活用しない英語を見習ってくれ……

※ わたしの雑な印象:

フランス語=動詞の活用が複雑

ロシア語 =名詞の格が複雑

ドイツ語 =冠詞が複雑

中国語  =発音が複雑

英語   =かんたん

 

今期のフランス語、毎回ことわざを教えてくれるんですけど、そこに講師が添えるひとことがおかしくて。

少し前に「よい猫にはよいネズミ」、つまり「敵もさるもの」という、なぜそういう意味になるのかちょっとよくわからないことわざが出てきました。んで講師がそこに、「みなさんの身の周りにいる、油断のならない人やライバルを思い浮かべて言ってみましょう」とかのたまうのです。ライバルって、普通の人にいるのかな。

「時間前はまだ定刻ではない、時間後はもう定刻ではない」という薪さんが真顔で言いそうなことわざの意味は、「時間には正確でなければならない」だそうです。講師は「時間を守ることは大切だ、と感じた時のことを思い浮かべて、繰り返してみましょう」と言ってました。わたし、思ったことない。どっちかっていうと「時間なんか守らんでええ」と思いながら生活してるもので。

 

 

いま、ドイツ語の男性・中性・女性名詞でつっかえています。

男性・中性・女性名詞はロシア語にもあるんですが、ロシア語の場合は名詞の語尾で決まるので形から見分けられるため、一個ずつ覚える必要はありません。フランス語も名詞に性はあるけど男性と女性のふたつなので、まったく覚えてないけどそんなに難しくないという謎の思い込みがある。どっちかだけ覚えれば残りは自動的に反対の性になるし。ドイツ語、なんで3つもあんだよ……。

わたしの嘆きを鈴薪で聞いてください。なお鈴木さんは薪さんの影に霞んでますが実はご本人も天才なので、たぶんこんなことで悩まないはずです。

 

「なんで名詞に性別があるんだ」

「なんでだろうな」

「しかも「中性」ってなんだ。おまえみたいなやつか」

「なんだよそのピンポイント攻撃は」

「だいたい、ピッツァが女性なのはいいとして」

「いいのか……」

「チョコレートケーキが男性っておかしいだろう」

「それは偏見だ」

「あとカプチーノが男性なのもおかしい」

「コーヒーが男性なんだから、カプチーノが違ったら混乱する」

「おまえは覚えるのに苦労しないの」

「しなかったな、別に」

「太陽がフランス語では女性、ドイツ語では男性、月がその逆って、どうにかならんのか」

「英語でも月は she で受けるだろ」

「でっかいものは she だからな。太陽も同じかな」

「さあ?? 太陽を代名詞で受けてるのは聞いたことがない」

「それは月を差別してる」

「仕方ない。太陽は太陽系で一個だけど、月は惑星によっては何十個もある」 ←ここでちょっとやられたと思った鈴木氏

「くそっ。あ、あと印欧語相互にたまに語彙が似てるくせに、同じだろうと期待したものが全然違うとがっかりする」

「たとえば」

「Today はフランス語で aujourd'hui 、ドイツ語で Heute 、ロシア語で сегодня。違いすぎるだろう」

「別に。「今日」は基本的に名詞じゃなくて副詞だからな」

「……そうか!」 ←しまった、と思った鈴木

 

まあいいんです、楽しいですよ、外国語のおべんきょう。「耳だけラ講」なら無料だし。

引き続き頑張ります。