雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

メロディ2023年12月号

 

こんばんは。

今日は職場で急病人が出て、早朝から対応に追われ予定が全部吹っ飛びました。急病人は夕方には落ち着きました。

その後、原画展に着ていこうと思っているワンピースで隣町の本屋へ。原画展はここ数週間で行ける確率が急激に低下していますが、まだ望みは捨てていません。今日は謁見の予行演習だ!

 

メロディのついったのヘッダが薪さんになってます。

「……なあ?」とか「わかってんだろな」とか言われてる(=怒られてる)ような気分になる、下から覗き込まれると。



では改めて。

自分が混乱するのでページ順で行ってみます。長いので折りたたみます。

 

 

表紙。

ネットより紙で見た方がクリアですねやっぱり! いつもの鉛筆の影とかさ。青木の涙袋も、薪さんのまつ毛も。

原画展のキービジュアルもそうですけど、拡大してよーーく見ると前髪のあたりとか、鉛筆の跡の残ってる部分もあるし、肌を中心とした色塗り部分も紙の凸凹が見えるので、これ手描きなんですよね? 鉛筆スタイルのペンはともかく、紙の質感の背景とか毎回わざわざ使わないよね??

トランプのレタリングとマークが手描きなのもなぜかよかったポイントです。

そして「秘密」の文字でっかいな! 「Melody」よりでっかい。すごい。

 

青木は紙で見たほうが不穏さが増してるけど、この手の心配はだいたい不要であることが「悪戯」でわかったので問題なし。困ったことに青木のほうに目が向いてしまいます。

それにしてもここに至って今まででいちばん男前なハートじゃないですか? 髪がボサボサなのも好みのポイントです。あと若いくせに相変わらず渋い色のシャツ着てるのも。

今回は薪さんも(たぶん青木も)ネクタイが派手ですね。よいです。

 

 

巻頭カラーもね。紙で見たほうが、よい!

シーツを抱いて?おめざの薪さん。わたしが語ると台無しにするのでもう多くは語るまい。

キレーだな〜〜、これはここ最近では規制線ぐるぐると同じぐらい好きかも。

ポストカードブックと見比べても、大きいほうが素敵です。ところで付録……肘とか花とか、絵の途中に切れ目を入れないで欲しかった……あと過去の例から想像したより枚数が少なかったのも残念、というのは贅沢だと重々承知してるんですが、「悪戯」の3枚かせめてカラー単行本未収録の猫は欲しかったと、思ったのわたしだけじゃないでしょう。

と、いうのは表では言わないでおいて、とにかく新規絵、こんなキレイな(語彙)カラーをいっぺんに浴びて、困った、貼り付けたデスクトップを右往左往してしまう。

 

 

さて冒頭の事件。2057年夏。

さっそく出ました、嫌な家族。今回は(も)美醜が問題になるキャラが……ゆーてもお母さん、別にけなされるような外観じゃないよね。みんな外身より中身に問題がある。

 

事件現場。

ペンが痛そう! って思ったらペグか! 

女の検視官が出てきたところで雪子さんは覚悟してページめくったのでまあいいや。

ってことは鈴木氏も、とそこも覚悟してページめくったら、若い! 出ただけで嬉しいサプライズ。っていうかワンチャンあると思ってたけど、ファンサとして(←違う)。

いつも通り余裕綽々の登場の仕方です、鈴木克洋31歳。高身長が生かされ、その背中に薪さんを守るようにすっと立つ姿、いいね(冷静ですみません)。

なんかさ〜、本編は鈴木氏はずっと死んでたわけじゃないですか。ゼロでちょいちょい「生きてた時代」に普通に生きてる姿で出てくるの、先の展開を知ってるから切ないけど、物語のありがたみを実感します。

先に雪子さんが出てきて最後が薪さんだったのは「引っ張る〜!」って感じで、ほらそこどいてあの方がいらっしゃるから、って思いました。

 

やっぱ普通に見てイケメンだよね鈴木は。あまり他の登場人物から言われたことなかったと思うけど。薪さんの影で霞んでるけどちゃんと(?)天才だし。文系なのが惜しい(※個人のシュミです)。

個人的には、鈴木さんのイケメンっぷりは、あの余裕ぶっこいて見える普段の言動にこそ現れている、と思っています。

ただ、事件現場で男に見惚れて妄言を口に出してしまうスガちゃんはどうかしてる。ここは雪子さんに同意。

 

で、岡部さん登場です。

あっという間に事件解決、「第九」は4人しかいなかった時代。

少し先に青木のつぶやく時系列があるのがありがたい。久々の再開だから読者配慮ですね。

にしてもいま出たばかりの鈴木さん死亡とか姉夫婦惨殺とか婚約解消とか、ほんとに初めての人にはびっくりだしネタバレになっとる。せめて鈴木さんのことは書かなくてもよかったんじゃ……手紙の件その他を「あらゆる事」で一括りにしてるのも、そんな軽くないんよ諸々の出来事……年表に補足してまとめ直そうと思ったけど力尽きたので気が向いたらやります。

 

 

そしていちゃつく恋人たち。ああ鈴薪の民の悲鳴が聴こえる…… (斜めからすみません)

わたし、鈴木と雪子さんが仲良くしてるの、平気なんです。むしろ実は思い合ってなかった、とかがものすごくイヤ。そんな状態で何をごまかして生きてたんだよぅ頭いいくせに!! って思ってしまうので。

とはいえ敷地内でチューしてんじゃねぇ! このシーンいります先生?笑 ある意味読者サービスですよね、悶える糧(糧?)になるという。このあとこのふたり、ごはん食べてセックスしたよね(すみません)。

 

雪子さんの妄言「剛くんが好きだったの」は、彼女の勘違いだったことになってます、わたしの中では。美貌の天才を前になすすべがなくなっただけだったんだよあんたは。それをなまじ気が強いもんだから認められなかっただけなんだよ雪子さんは。という結論に達しました。

許せないのは、薪さんに人生を捧げた鈴木という人物のカノジョにしては、雪子さんがあまりに平々凡々であるということです。その意味で鈴木の女の趣味はつまらんと思う。奴に欠点があるとしたらそこだな。 ※個人の見解です

 

事件の隠された可能性に苦悩する薪さん。 ←おおかたのファンの読解と違う

鈴薪に関しては萌えるけど冷静なわたしの感想です、すみません。何回謝るんだ。

MRI捜査のなされた事件って、あんまり多くなかったんじゃないですっけ。十数件とか。薪さんが全部の事件を見た唯一の生き残り、的な説明のとこかどこかで、そんなこと言ってたような。その一つということになりますね。

 

 

で、青木登場。2057年夏、19歳。二十歳になる年で、飛び級してるから3年生。

場所が教養学部になってます。キャンパス間違ってるよ青木。ゼミ(ってなに)あるっていうからこのあと、駒場から本郷まで走ったのかもしれない。

 

えっとわたし、サイドより前髪の半端さが気になるんですが……せめてツーブロックならよかったのに。でも全体としては特にダメじゃないです。たぶんみなさまには評判悪いんでしょう。19歳です、許してやってください。

わたしが気になったのは、MRI捜査の記事を読んで「MRI…」のあと「薪剛…」と呟いているところです。そこ?? どこ見てんの。ほんとに法学部か。いや青薪的には正しいんだけど、この子ほんとに薪さんへの憧れで捜査員になったのね……

ここで顔写真みてるのに1巻のあの反応ってことは、スーツの小さい写真だけではあんなにちっちゃくてあんなに若いってわからなかったってことですね。観察力と洞察力が足りない。とはいえ若いんだから許してやろうよ(そこは許せん)。

あとファンクラブ結成って薪さんのことかと思った。「同じ東大生だったって 迷惑」ってのはわからんなあ。卒業生に立派な業績の人がでると「わたしも東大!」って騒ぐタイプの女だとみた。

 

で、現在、12年後の2069年8月末。「悪戯」後の時間軸です。

青木31歳、またこの子こんな平気な顔して、この1年間舞と一緒に光の世話して、顔に出さずに傷ついてるのにね。

そこへまた特捜を任される。そりゃそうか絹子も、桜木さんの父親の時も青木がまとめてるんだもんね。ベテラン捜査員の中ではたぶん一番歳下なのに、しんどい捜査が多いよな青木、頑張れ。

しかし8月いっぱい遊び倒すほど暇なのか第八は。いや違う、舞の心のケアですね。薪さんからすると、青木の心のケアとして手元に置いて、仕事させることにしたんでしょう(二次的要素を加えた解釈です)。

 

犯人ですが、国立大文学部「中退」はエリートじゃないと思います。

この赤ん坊、いま12歳なんですよね。不穏だ……。

 

 

今回あれですか、「冬蝉」の時みたいな、タイムライン上で二箇所に焦点がある構成。『秘密』は事件の特性上そうなることが多いけど、鈴薪の時間に若い青木は出てこなくていいです、と願っています。

 

裏表紙にはでっかい原画展のキービジュアル、これも嬉しい。よく見えます。

 

取り急ぎ以上です。情報量が多くて力尽きました。

とにかく薪さん、お会いできて寿命が延びました。青木も鈴木さんもありがとう。清水先生、ありがとうございます。