鈴薪月間だからもうちょっと仲良し鈴薪を書くはずだったのに、書いてたはずなのに、もうまもなく命日になっちゃいそうです。
そういえば「山の日」なる祝日がいつのまにかできててびっくりしたんですが、8月11日という半端な日付の理由をわたしの周囲では誰も知らない。噂によると移動祝日かもしれないそうですが、おそらくお盆にくっつけてお盆休みを長くしようという発想ではないかと思われます。
少し前についったにあげた、鈴薪のメロン話です。連れ合いからふるさと納税の貢物が来たので勢いで書きました。
いま思い立っていま書いたメロンのすずまき。
— 泉 織江 (@orie2027) 2022年7月18日
ノー推敲!読み返してもいないのでとりあえず薄目で読んでください。 https://t.co/suXilJEcic pic.twitter.com/IY0f5TsoYz
マルセイユメロン、もらったのも食べたのも見たのも初めてだったんですが、中身は赤肉で、スプーンで相当削っても最後まで甘くて、ちょっぴりアレルギーがあるんですが無視してガンガン食べました。
イメージを色々検索しました。
薪さんが手にお持ちなのは、こんな感じかと思いますけど。これがメロンだけでリボンがついてないやつ(でもこれちょっと、皮が厚すぎませんか)。
Fruits deco43フルーツデコ|札幌市フルーツカットデリバリー
薪さんはその気になったらこれぐらいやってくれそう。
これすごくいい、カービングというより盛り付けにセンスがあると思います。こういう取り合わせや色使いがめちゃ好みです。
このへんになると薪さんには乙女っぽすぎる。
https://c-fuwari.com/2021/03/31/featured-fruit-carving/
おりたたみのあと、ついったと同じものをベタ打ちです。
さらにそのあとにおまけがあります。
* * * * *
「メロンを丸くくり抜くやつが、あるだろ」
「持ってるのか」
「ここにじゃなくて、世の中に」
「……あるかもな」
なんの話だ、と思いながら鈴木は、横浜から両手にぶら下げてえっちらおっちら運んできたマルセイユメロンを、薪の冷蔵庫に仕舞った。
「あれがあればよかったのに」
「あれって」
「メロンを丸くくり抜くやつ」
だからなんの話だよ、と不毛な会話を繰り返したのが2時間前。そのときでさえ薪は参考書を広げて2冊同時に読んでいて、顔をあげもしなかったのだ。
それなのにいま、休憩しよう、と台所から戻ってきた薪の手には、新しいアイスティーのピッチャーと、メロンバスケットがぶらさがっている。
「おまえ、それ、どうしたの」
「作った」
「いつ」
「いまに決まってるだろう。やっと冷えたから」
横半分にギザギザにカットして、ただし持ち手になる部分は残し、中のオレンジ色の果肉をポンポン玉みたいに掬って詰め直す。フルーツカービングのうちでもおそらくさほど技術は要しないだろうが、「薪が」「自分で」「丸く」メロンをカットしたって?
「どうやった」
「スプーンで試したら、できた」
「えらくまんまるじゃないか」
「僕には才能があるらしい」
「なんでこんなもの作ったの」
「おまえがわざわざ運んでくれたから」
「それで、なんで」
「誕生日だから」
薪がやっと、放射状の罫線が特徴的な小ぶりな、少し前まで球体だったものを、畳の上の盆に載せた。「さっき思い出して、なにかないかと思ったらメロンがあった」
「俺が持ってきた貢物なんだけど」
「だからせっせとかわいくしたんだ」
「か、かわいく?」
「気に入らないのか」
「とんでもない」
鈴木は浮かんでくるにやにや笑いを抑えることもせず、まずは指先でひとつつまんで口に放り込んだ。「薪にこんな愛嬌があったとはね」
「誕生日だからな」
2回言ったな、と思った。おめでとうのつもりらしかった。
* * * * *
これはね、つい「あーん」ってやつをやらせたくなりますよね。
書いた当初はそこまで設定してたんですが、弊社の鈴薪はそういういちゃつきかたをしてくれないので、うまくいかんかったです。妄想だけあげておきます。
「……なんでツバメの雛みたいにクチを開けてるんだ」
「あーん、ってしてくれないかと思って」
「甘えるな」
「いいだろ、誕生日なんだから」
「家族でも恋人でもない僕に、家族か恋人みたいなことをやらせるつもりか」
「なに言ってんのつよしくん。俺たち友人だろ。友人だっていちゃつくんだぞ」
「――そうなのか?」
はじめてのおともだちができたピヨ薪さん。簡単に騙される。
今年は我が家に続々と貢ぎ物が届いているのですが、まもなくシャインマスカットも来ます。届いたものを次々にネタにさせていただいております。
ぶどうなんてクチに入れやすいもの、メロンをやったあとだと、薪さんてばデフォで食べさせてくれそう。
「口を開けろ」
「な、なにするんですかつよしくん」
「友人に食べさせてやろうって言ってるんだよ」
「あ。そゆこと」
一瞬びびる鈴木。ピヨ薪さんをからかったりするからだよ。
そして薪さんの誕生日には、薪さんがスズメの雛のようにくちを開けます。ぱかっと。
下は二重ガラスの二重窓、つまりガラス4枚に網戸まで経由してiPadで撮ったので不鮮明ですが(ビデオカメラだとはっきり写るんだけどいかんせん長年使ってなかったもんで、カードリーダーが作動しなくなってるし、見積もり作ってもらってるとこ)、くっついてる=ごはん食べさせてもらってる左が子雀、右が親です。子雀はまだ嘴の端っこが黄色いのがかろうじてわかります。いまぐらいの時期になってもまだ甘えてるんだねぇ。
でもこの子雀、ほかのおとな雀の前でも翼をバタバタさせてクチ開けてました。無視されてましたが(かわいかったですが)。
さらにそこから1年たつと、
「つよしくん、おくち開けて」
「鈴木。いつまで子供みたいなバカやってるんだ」
見抜かれる。
全然甘くならないのに楽しいな。わたしだけですか、すみません。