こんばんは。
日付変わっちゃいましたが、昨日は岡部さんのお誕生日でした。
岡部さんて2025年生まれなのね。山本さんと滝沢と同い年なのね。『秘密』メインメンバーの中では最初に生まれる人々ですね。
いつも薪さんが、そして我々の青薪が、苦労をかけてすまない。思いつきでおはなしを書きました。
なにかお題が欲しかったけど、カップルじゃないので回し慣れたガチャじゃないやつ、なにかないかと久しぶりに使った診断メーカーがこちら。
出たのは「火をつける」でした。
書いてすぐ推敲もしないであげたのがこちら。
「火をつける」をテーマに(しかしその語を使わずに)140字SSを書いてみましょう#shindanmakerhttps://t.co/G5oyj73ij3
— 泉 織江 (@orie2027) 2022年7月20日
140字どころじゃないけど、いま思い立っていま書いたばっかり、再び。
岡部さん(人間)、誕生日おめでとう。 pic.twitter.com/1dA0t4zn3b
「前に所長と行った、新潟の地酒を置いてるいい居酒屋」は、ツブさんの青木誕のおはなしの飲み屋です。
「八海山」も飲んだはず。
ちょっと直したやつを折りたたみの下にあげておきます。
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残り火
非常口のドアのワイヤー入りのガラスの向こうに、ぼんやりとした人魂のような赤が浮かび上がるのを見て、薄暗い鋼鉄のドアをそっと開けた。
「室長」
「わあ!」
脅かすつもりはあった。もう他に誰もいないから、業務外の時間にはそういういたずら心が湧き上がる。
「なんだ、こんな時間に。本庁に行ってたんだろ」
「家に持っていけないデータが入ってたので、戻ってきたんです」
PCの入った鞄を掲げて見せた。「なにしてるんですか。みんな帰りましたよ」
「MDIPとやりとりする必要があってな。時差を合わせて、さっきまでスカイプで話してたんだ」
ははあ、それで人払いしたのか。爪を隠す鷹だもんね、この愛すべき上司は。「第九」には珍しい叩き上げだから、英語できるんだ、とか言われるのを嫌がるの、かわいいったら。
「もう終わったんですか」
「ああ」
「だったら非常階段なんかで煙草休憩してないで、退所したほうが」
「おまえまで禁煙のすすめを説くんじゃないだろうな」
「違いますよ。今日が何の日か、忘れてるんでしょ」
ごつい指先、手の甲、髭。考えながら吸われることを忘れた炎が小さく光ってる。
薪さんは記念日とか気にしない人だし、要の第三管区を任せるために育ててる意識なんだろうけど。見た目より繊細で、自分のことには鈍い腹心の私生活に、もうちょっとだけ配慮してくださればいいのに。
「前に所長と行った、新潟の地酒を置いてるいい居酒屋ってやつ。あそこに連れてってください」
「波多野、日本酒が好きだったのか」
「好きですよ」
ほら、灰が落ちた。とぼけたヘビースモーカーあるあるだよね、わかりやすいことこのうえない。「たまには部下に奢られてください。すぐ置いてきますから、これ」
そういって仕事の材料をもう一度指差すと、断る口実を与えないうちにぱたぱたと資料室に向けて廊下を急ぐ。一瞬だけ、まさかこれが所長の策略じゃ、と疑ったけど、さすがに考えすぎだよね。
閉まったドアの向こうでは返事をし損ねた巨体が大きく煙を吸い込んで、残り火を燃やすのがぼんやりと見えた。
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