こんばんは。
木曜日にわたしの喉を通った内視鏡のせいで、5日たった本日もまだ喉が痛くて咳が出て声がガラガラです。今日は仕事で喋ってる途中で声が出なくなって、代打をお願いしました。いやこれ施術した人が下手くそだったんでは、と思わざるを得ない。
あと週末にずっと下痢をしてたひとがいて、ゆうべやっと誰なのか同定できたのですが、わかったとたんにその猫さん、一晩中トイレの住人。しかも同時にゲロ吐きまくり。一晩で猫砂一袋使ったんじゃないか。しかも朝になったらもうひとりにうつってて、そっちも上から下からゲロとゲル。
今朝朝イチで病院に行って、検査して、注射してもらって薬をもらって、やっと落ち着きました。いまのところほかのひとにはうつっていないいようなので、今夜は落ち着きそうです。
その激混みの猫の病院で、待ち時間に書き始めて一気に仕上げた、学生すずまきです。例によって誕生日とは1ミリも関係ありません。すずたんの前夜祭としてあげました。
すずたん前夜、取り急ぎ、お題ガチャからの学生すずまき。 pic.twitter.com/V3se3azeSQ
— 泉 織江 (@orie2027) 2022年7月4日
ガチャはたしかこれだったような。2、3個回してお題を探したので違ってたらすみません。
中に出てくる「経済の教授」とは、プレミアム関係の悪くない人のつもりです。
教養部1年、事件のあとの誕生日頃、事情を聞かれに行くところ。
折りたたみのあと、ついったと同じものをベタ打ちです。
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おたより
「次の時間、「国際関係史」とってる人、いる?」
教養科目の「宇宙科学」の終了後、三々五々席を立っていた学生たちの何人かが、鈴木の問いかけに手を挙げた。
「俺」
「俺も」
「あたしも」
「吾輩も」
最後を無視して三番手の女子に目をつけると、ちょっと待って頼みたいことが、と手元のレポート用紙を破り取り、さらさらとなにやら書きつける。
「薪がいるはずだから、渡してほしいんだ」
「鈴木くんは、出ないの」
「経済の教授に呼ばれてて、公欠で遅れて行く」
「薪くんは、これとってなかったの」
「こんな基礎教養、あいつは教える側だよ」
話しながら10行ほどこまごまと書きつけると、鈴木は薬包紙のようにそれをたたんで、ポケットになる部分にプロテインチョコレートを入れた。
「はい。おまけ」
配達物と同じおやつを5個ばかりも、お遣い係の手にも載せてやる。
「あ。ありがとう」
「あいつ朝も昼も絶対なにも食べてないから、口に入れてやって」
「……あたしが?」
「餌付けしないと食わないし、薪は気にしない」
こっちは気にするんだけど、という声が届かなかったのか、鈴木は階段教室の長椅子長机のしつらえを背中側に飛び越え、じゃ、と鞄を拾い上げて去っていく。
「あいつら、一日中ほとんど一緒でずーーーっと喋ってるくせに、文通までするのか」
選択されなかった学生がその背中を見送って呟いた。「なに書いたのかな」
「そういう好奇心の防止策で、おまえを選ばないで、おまけにわざわざチョコを突っ込んだんだよ」
「じゃああたしのぶんはお駄賃っていうより、賄賂だね」
「っていうかあいつ、薪のための食料まで持ち歩いてんの」
「そんでもって遅刻する時間も待たせられないの」
「そしてなぜかちゃんと冷えてるチョコレート……」
さしもの東大生からしても、天才ペアのやることは違って見える。残された学生たちは栄養食のお裾分けを受け取って、教室をわいわいとあとにした。
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