こんばんは。
メロディ付録のカレンダーは、表紙に写真が出てましたが、青薪背中合わせのクオカードっぽい(背景が白い)バージョンでした。まだゲットしてないんですが。
唐突に思ったんですけど、オールスターカレンダーって、需要ないよね。普通に考えて。好きな作品がいっぱいある方はいいのかもしれませんが、どちらかというと少数派では……そんなことないのかな? 花ゆめの全盛期(当社比)(30年前 ←そりゃ作家陣や作風が変わるの当たり前だな……)だと、敬称略で、和田慎二・日渡早紀・川原泉・那州雪絵・立野真琴・河惣益巳・山口美由紀・由貴香織里・佐々木倫子、が並んでたら、何月でもけっこう嬉しいけど。
だからね、カレンダーって、おひとりで1年ぶん描いていただきたい。過去絵でいいから、でも1枚新作が入ってたら泣いて喜ぶ(たぶん2部買う)。それをもう、毎回つけてください付録として。綴じ込みでいいから、なんなら自分で切るタイプだっていいよ! 雑誌の一部として印刷するだけなら毎月つけてもラクでしょ??(適当に言ってますごめんなさい)
その号の月はじまりでいいから。12枚綴りが大変なら、いっそ6枚でもいいから。
それか、今はどうか知らんけど昔の『MOE』、毎号毎号ポストカードとか懐かしのカセットレーベルとか、ミニポスターみたいなのとか、ついてたんですよね。まあカラーのイラスト雑誌ですからね。あんなふうに、毎回どなたかのミニポスターとかポストカードとかとじ込んでくれたら、そして1年に1回でいいので清水先生のご担当があったら(しつこいようですが過去絵でけっこうですご負担を増やそうという魂胆ではないので)、その号は売上が沼界隈では自動的に倍増します。
そんなに無茶な要求じゃないですよね? ね?? ←錯乱
なお3月からのうちの私製カレンダーはこちらのラインナップです。
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さて、先日猫の日のことで愚痴めいたことを書きましたが、考えてみたら今年は黙ってても(西暦だけで)通常の猫の日並みに2が3つ並んでるし、2月ともなれば4つ並んでて20日以降は5つあるんだから、いつまでたっても猫の日でいいんじゃないでしょうかね。
ということで1年ぶりに書いた曽我さん(にんげん)の話を置いておきます。青木と曽我さんが相互に無表情でのろけてるおはなし。
1〜9はこちら:二次創作 もくじ 2
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ある猫たちのはなし10 猫のしっぽ
曽我が雑談の中で自覚のない惚気話をしたがるときに、青木は快くつきあってやることにしている。なんといっても「第九」に配属されて最初に指導してくれた先輩だし、猫飼いでもあるし。
「はこべちゃんて、猫っぽいんだよなあ」
将来の捜査員育成のために、各管区内の科捜研職員を対象としたMRI捜査技術セミナーが、オンラインで開かれていた。難事件の証拠となる資料を直接扱うので、あまり下の所員には任せられない。機密保持の観点からは共催したほうが面倒でない場合も多い。今日は第六、第七、第八の3管区の管轄内で9つの科捜研より15名の研究員が参加していた。設備や資料共有の便を理由に若いほうが広島に出張り、午前の部が終わった昼休憩の時間だった。
それは完全にわかる、と思ったものの、どうせ「想像するな」と抵抗されるに決まっているので、青木はとぼけた。
「なんですか、猫っぽい、って」
「朝、なかなか起きないし。揺すってるのに丸まっちゃったり、起き上がってまた足元で二度寝したり」
曽我の恋人はどうやら昨夜こちらに来ていたらしい。誘われたら遠慮なく遊んで帰るつもりだったが、その線はなさそうだ。
足元、ね。俺の薪さんなら丸まるのは腕の中だけど。
「寝相も悪い。大の字になってひっくり返ってることもある」
おっと、これはうっかり失言だな。曽我猫と一緒の図あたりを思い浮かべてるんだろう。薪さんなんかご本人が小さいせいで、あのでっかいベッドの真ん中にいると、まるっきり小動物だよ。
「寝ぼけてるとフニャフニャ言ってて言葉もよくわかんないし」
薪さんの声が猫っぽくなるのはなんといっても「さいちゅう」だから、っていかんいかん。顔に出る。
「かと思えば俺の不用意な言動には一瞬で機嫌が悪くなって」
「わかります」
しまった、秒で反応した。「いえあの、俺んところも同じで」
「だろうな、おまえ失言が多そうだもんな」
「曽我さんに指摘されるのは心外なんですけど」
「どう対処してるんだ」
「対処もなにも。しっぽがあったら「ばんっ」ってやられてますよ」
「だよなあ! でも本人は「別に怒ってません」とか言うんだぜ」
「言います、言います」
「そのくせツッコミは容赦なくて。こないだなんか、」
調子よく喋っていた曽我の発話が、電池が切れたみたいに急に止まった。
「こないだ、なんですか」
「いや。いい」
口を滑らせたようで、青木もそれ以上問いただすのをやめた。どうせあっちのことだろう。とはいえ自制できるようになったあたり、はこべさんの教育の成果だな、とひとしきり感動する。
「おまえはどうして怒られるんだ」
「そりゃもう、」
しつこいとか、やりすぎだとか、なにもかもデカイとか。「いえ。いいです」
青木もすんでのところで口をつぐんだ。
自覚のない惚気話に落ちていくのは自分も同じだ。首だけ振り返って冷ややかにこちらを見つめる2匹の猫が、しっぽを大きく振りかぶって叩きつける音が聞こえそうだった。
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