雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

メロディ2021年8月号 夢のつづき

 

こんばんは。

公式ついったが扉絵を載せてくれました、ありがとうございます。涙

鉛筆に色を載せたようなタッチ、いいですね……。

岡部さんがめちゃ男前なんですが(そもそも好みの問題としてこういう顔も好きなんですが)。さほど活躍してないのにここにいるの、やっぱり薪さんの背後を守るのはこのふたり。ってことだと思っておきます。

 

青木は相変わらず男前です。最近青木があちこちで男前に見えます。

わたしシュッとしたシンプルな顔がそもそもの好みなので、川原泉さんちの男性陣とか。青木とか鈴木みたいなの、実は好みなんですよもとから。薪さんの頭脳が突出しすぎてて他が霞むから忘れがちですけど。

 

扉の薪さんの瞳、キャッツアイ、その後の展開を知ってから見ると、もうつらさに耐えてる表情にしか見えないよ涙 無表情なときがいちばんつらそうなんですよね。無印4巻のシャワー浴びてる人の次のコマといい。 ←ここでいまさら出す

薪さんがネクタイしてなかったから、本編の頃の話か? と一瞬思ったんですけど、そうじゃなかったけどそうだった。とにかくつらかった。

 

さてもう少し語ります。

美しそうなタイトルですが不穏なことを語ります。

 

 

まずなにはともあれ、鈴木さんのあの姿なんですけど。

6巻で薪さんがシャツを寝巻きにしてボロボロになりながら悪夢を見ていたのは、鈴木さんを撃ち殺してからまだ数週間。あの頃はほぼ寝てなくて錯乱してたし、もういない親友を思い出すのがつらくて「もう死んだんだ」と自分に言い聞かせてると、あとになれば解釈するわけですけど。

無印1巻の設定では、「あっち側」にひきずり込まれたから撃ち殺した、ってことだったのかな、と思ってて。だからひきずり込まれた側の鈴木も、「真っ直ぐな魂を持つ」青木に殺されたかった薪さんみたいに、「あの夏」にまだ狂っていなかった薪さんに殺されたかった(と薪さんが想像した)のかな、と思って。

でもその後「ジェネシス」とか「可視光線」とか「冬蝉」とかで開示されたふたりの青春と関係性があまりに美しかったから、そのへんは考えたくなくて考えないでいたんですが。

 

今回鈴木さんが、いまだに薪さんの夢の中に「悪夢」として(いつもではないかもしれないけど)出てくる、それも「鈴木カツヒロ」なんて決定的な名前を聞いたりした日に「同じ夢」として出てくる、というのは、清水先生の設定の中では、結局そうなの? つまりあの光属性そのものみたいだった鈴木が「あっち側」にひきずり込まれた結果として死ななければならなかったの? と思ってしまったんですよ。

そしたらつらくてね。

しんどくて長い「悪戯」のあとにはやっぱり鈴木! と一瞬ぬか喜びしたのに……(すみません)

貝沼のバカー。鈴木のあんな姿、見たくなかった涙 つらいからとりあえずこの考察、やめ。

どんだけ都合よくても、鈴木には薪さんを愛して支えたあの鈴木であってほしいので、そして鈴薪には美しい思い出の無二のふたりでいてほしいので、あの悪夢は薪さんの罪悪感から来るだけの(それもつらいんだが)不必要な(すみません)悪夢で、夢でそうでない姿の鈴木にも出会えることを、薪さんは心の底から喜んでる。からこそのあの微笑である、と思っておきます。

 

 

青木は、お姉さん夫婦の惨殺に関しては、なんかわけわからん大陸の陰謀にわけわからんうちに巻き込まれたようなものなのに、でも「自分のせいだと考えた方がまだ楽」なんだよね。責める相手がはっきりすれば、「誰かわからない人の責任にするよりも」楽なんだよね。その「責と一緒にずっと生きて」るんだよね。

まさか「悪戯」の展開がこんなふうに畳み掛けてくることになろうとは……光に気を取られてたらやられた。白石に言われんでもわかってる、青木がどれだけつらい思いをしてきたかは。わかってたはずなのに、突きつけられて思い知らされました。

青薪のことばっかり気にして「悪戯」編を過ごしてましたが、ふたりがあんな夢を「いつも」見てる、と知らされたあとに読み返すと、ううしんどい。

 

青薪って、ふたりで主人公みたいなとこあるし「青薪」ってセットで見ちゃうとこあるけど、このふたりの夢が同軸で語られるのには、それ以上の意味があると思うんです。

「第九」発足時のメンバーは薪さん以外「みんな死んでしまっ」て、鈴木さんを知るのは薪さん以外では、その脳を見た青木だけ。青木の姉夫婦を失った苦しみをいちばんよく知るのは、その本当の標的が自分だった薪さん。しかもふたりは相互にそれを理解してるわけです。

青木が真顔で「よんで下さいいきますから」って言うのも、薪さんがそれを本気だとわかってるのも、ふたりのそういう共通理解があるからなんだと思う。

 

事件は完全にスルーしてました。よそさまにおまかせします。

今回も事件関係はろくでもない親が登場、ほんとイヤな親とおとなばっかりいるよね『秘密』って。青木の善性がまぶしいよ……にんげんをハナっから信用してないわたしに決定的に欠けてるものでもあるので、たとえ世間(=読者)の評判が悪くても青木にはとことん人を信じる姿勢のままでいてほしいです。

 

 

暴走編のあの平和でめちゃくちゃな青薪が、もう3年も前だなんて。 ←当時読んでなかったけど ←なんの関係もないのに錯乱

やっぱり世の中は、わたしが望んでいたほどよい場所でもなければ、薪さんみたいないろいろ難しい人がたやすく幸せになれる場所でもなかったんだよ。薪さんに出会ってやっと生きるの少しラクになったと思ったのに、いまでも楽しいけどさ、当の青薪はそんなラクな生き方してなかったんだよ。

などと考えてしまう程度にはきつかったです。ああ24時間前にはこんな衝撃を受けるとは知らなかった平和なわたし。

今回のおはなし、2年半前に『秘密』に出会った頃にすでにあって読んでたら、自分は二次を書いてなかったと思う。

 

とにかく今回、わたし史上最高にしんどいおはなしとなりました。

中身もきついし、ふたりの現実を思い知らされたのもきついし。ふたりがふたりしてあんなつらい現実を生きてるなんて、と思うと、二次書くのもしんどい。冷静なわたしが「青薪くっつくくっつかないどころの話じゃねーよ」と腐脳を牽制する(あ、すぐ忘れてまた能天気なもの書くのは確実ですが) 。

 

あとどうでもいいことですが最初に裏表紙を見たんですよ。マンガパークの広告にあのカッコイイ青薪が出てるのは『秘密』の真骨頂って感じでいいんですけど、薪さんの隣に乱交漫画のっけるのマジやめて……エロマンガの広告なんて普通に見たくないっつの。

 

さてそろそろあちこち回ってみます。みんな生きてる?