雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

メロディ2021年8月号

 

こんにちは。メロディお迎えしました。ネタバレです。

4か月ぶりの薪さんです。が。

いままででいちばんキツかったです。本誌読む前にここにいらしてる方はいないと思いますが、今回相当きっついので、覚悟を決めてください。

 

 

 

長い話のあとだから1話ものがくるだろうという予想は当たってました。しかしわたしが期待してたのは、クロスケとかデータ消失とか暴走編みたいな、ほのぼのじーん、ってやつだったのよ。違いました完全に。

むしろ「Extra.」とか書いてあっても、いやこれモロ主軸ですよね、と打ちのめされました。

 

事件の関係者は、母親も娘もむしろ(今までの『秘密』のパターンもあるしミステリ擦れしてる自分の性格もあるし)わかりやすくて、いったんスルーします。

 

 

いやもう最初がいきなりさ……

まず扉。毎回信用してなかったコピーと薪さんの表情に不安をかきたてられつつ、青木が顔も唇もスーツもかっこよかったんでほっとしちゃって、そこへ弁当づくり、しかもデフォルメで始まって、次めくったら!! 完全に清水先生の計算にやられました。

何がきついって、夢じゃなくて、泣きながら目覚める青木の「死んでない現実」です。

 

しかもこれで終わらんのです。

病院に鈴木カツヒロさんがいるんです。いるよね実際、わかるよ、うちの最愛の猫だって同じ名前がときどきいるもん。名前を聞いて現実の色が変わるあの瞬間、わかりすぎる。だから病院で名前呼ぶの、個人情報だし、やめよ?

 

青木と薪さんはふたりそろって別々に、失って二度と会えない最愛の人の夢を見てるんです。

しかも薪さんのほうは本人も言ってる「悪夢」。最愛の親友が悪夢に変わるのは、どうしたって「自分が殺した」現実があるからなんだろうな。

 

もうね、読んでて「ゔゔ」って呻き声出ました。前回まで『秘密』読んでて一度も泣いたことなかったわたしが。「エンドゲーム」の悲惨さをリアルタイムで経験してないから、今回キツいのかな。いやそうじゃないと思うんですよね。

なにがきついって、わかっていながら語られてこなかった薪さんと青木の生きる現実を、突きつけられたってことなんです。いやもう毎回思うけど、「能天気な二次書いててすみません」って今回ほど強く思ったこと、なかったよ。同時にキツすぎて、これはますます能天気に幸せになっていただかないと、とも思ったんだけど、それは今回読んでどうにも青薪どころか薪さん自身の幸せはないな、と思ってしまった(すみません異論は認めます)からで。

 

救いもありました。

青木が真顔で無表情で「加勢してさしあげますよ?」って言うとこ。いくでしょうね青木は、夢の中でも。なんかそんな話、誰か書いてなかったっけ。 ←そろそろ錯乱に拍車が

「はあ?」とか言わない薪さんもよかった……青木ならほんとに来るってわかってんだよね。

そしてそれを断った薪さんのやさしいお顔が、今回なによりの救いだったよ……これがなかったらきたる鈴木の誕生日に何かあげるの、無理だったかもしれない。薪さんてば、扉を含めてここまでずーーーっと無表情なんだもん涙

 

あと個人的に、「薪が嫌がるので画面OFF」が、どうしようもなくツボりました。そーだろそーだろ!!

 

 

次回は表紙も秘密でふろくもついてて、発売が1日早いし、新しい事件ですよねたぶん? でも「薪と青木が切り込む真実とは…。」ってコピーが不穏なんですけど……気にしなくていいやつだと思うものの、今回がキツすぎて。

 

とりあえず出勤します。なんと今日は休日ではありません。

夜にまたもう一回なんか書く……かもしれない。みなさん 生きて再会しましょう。