雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

what3words

 

こんばんは。

暖房始めました。今年は新居があったかいので、例年より遅いです。

おおよそ、うちでいちばんのデブ猫がわたしの布団にもぐりこもうとするのが合図です。寒いんだな、って。

あとはにんげんのベッドが混み始める。混んでてにんげんのわたしが入れなくなる。みんなしてふわふわの場所で固まって暖をとってます。いやまだそんなに寒くないやろ……。

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わたしはといえば、季節の変わり目にアレルギー(猫、症状は喘息と鼻炎)がひどくなって今日はツライ日なのですが、薬を飲むとハナがカピカピになるのがイヤで一日中ハナをかんでます。こういうとき、『ER』とかで服薬をかたくなに拒否していた双極性障害の人とかの気持ちがちょっとわかる、と思ってしまう。

 

* * * * *

 

さてさて。目ウロコというかまったく発想になかった新しい概念を知って、興奮しているので聞いてください。

 

 

前振りから。

お気に入りの『NCIS ネイビー犯罪捜査班』を、1年前に当時アマプラで配信されていた全15シーズン見終わり、このほど次の第16シーズンがアップされていると知ったので、あまりに脚本が素晴らしかったため第1シーズンからもう一回通しで見ようか迷っているところです。それやると半年かかるんだよね……。

↑ 『ER』全15シーズンを通しで3回見た人、シーズン1は10回くらい見てる

アメリカでは去年シーズン17までいったそうですよ。長い! 今年は撮影できてるのかな。

 

このドラマの問題点は、おもしろすぎて他のドラマがつまらなくなるところです。『Hawaii five-o』とかかなり好きだったのに、NCISを見たあとだと困ったことに以前ほど面白くありません。それでも見るけど。

余談ですが『Hawaii five-o』ではフカヒレの密猟者に刑事が「ヒレを切って海に戻すなんて残酷すぎる」と詰め寄り責める場面があり、こういうのが自然に出てくるのはやはりアメリカの良識、と頼もしく思ったものです。

 

 

NCISに関しては、ドラマ内から拾ってきたネタでまだ消化しきれてないものがたくさんあって、そのうち小出しにご紹介したり利用したりしたいと思っています。今日のは興奮している現状で熱いうちに鉄を打ちます。

トピックはNCISのスピンオフ、『NCIS:LA 極秘潜入捜査班』より。

※ このダッサいタイトル、誰か止めなかったのか。

 

シーズン9エピソード13で、捜査員たちが行方不明のボスを探すときに、そのための手がかりとして、そのボスが部下に託した本の中で、特殊なインクでマルをつけた(ゆえに特殊なライトでのみ見える)3つの単語が浮かび上がります。危機的状況に陥って部下たちが自分を本気で探し始めたときにのみわかるようにと、ボス本人がわざとわかりにくい暗号を残していったのです。

NCISもCSIなどのアメリカの科学捜査ドラマ同様、登場人物が基本的に端から端まで天才ばっかなのですが(見ててものすごく気持ちイイ!)、天才が集まってもその3単語の謎が解けない。

そこへ別の天才捜査官がやってきて、あっさり「what3wordsじゃん」って言うんですが、それが何かを知らない分析官は、「そうだよ3単語だよ」と噛み合わない返事しかできません。

 

what3wordsとは:

ja.wikipedia.org

 

ドラマのセリフを借りて完結に説明しますと、「ホワットスリーワーズ」は、「3メートル四方に単語3つを割り当てる、地理的な位置決定システム」です。

3つの単語によって、地球上のある特定の3坪程度の土地を、それぞれ個々に指定するのです。つまり住所とか緯度経度の代わりですね。

以下、HPのガイダンスより。

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世界中のありとあらゆる場所、海にすら3単語のコードが割り当てられています。みなさんの職場やおうちも同じで、たとえば自宅の土地が30坪だったら、そこがおおむね10個程度のグリッドに区切られて、個々のグリッドにわけわかんない3単語が、それぞれ割り当てられているんです。

ドラマでは「Failed」「Action」「Skin」の3単語が、ホーチミンのある一角を指していました。すんごく普通の単語を使っているので、その気になって考えないとこれが地理的コーディングシステムだなんて、わかんないよどうしたって。

 

すごくないですか。

グリッドに区切るのはわかる。天気図とかぐーぐるマップとかでずっと前から普通に使われてる。だけどその各コマを指定するのに、数字とかじゃなくて、単語を使う、というのが斬新すぎる。

なんでこんなシステムを作ろうと思いつくんだろう。凡人なら「いや住所でいいじゃん」とか、せいぜい「緯度経度でいいじゃん」「マス目に順番に番号ふればいいじゃん」って思うでしょ。中身をなんとか理解した現在でも、まだその発想の源が腑に落ちない(=感動しています)。

 

 

上のウィキペディアのページからは、what3wordsのウェブサイトに移動して、検索したり土地をクリックしてその土地の3単語を調べたりできます。日本語版ができてます。

what3words.com

 

例えばですね。

柏の科警研の what3words は、検索すると「ていばん・てあし・どらやき」です。でもこれは科警研のほんの9平方メートルのある場所をさしているのであり、ストリートビューにしてあの建物の勇姿を見ながら位置を移動すると、単語は次々に入れ替わります。

「すすみ・ざつがく・はって」とか。動詞も使うの? 活用形も変えるの??

「まぶす・みたい・ついか」とか。補語でもいいんだ??

「としご・みずべ・さいと」とか。カタカナ語もあるんだ? ひらがなで書いてるけど。

 

いやもう、意味わかんないんだけど。 ←ほめてます

その単語を聞いてどこだかわかる人なんかいないし、逆にある場所をして使われてる単語の見当なんかまったくつかないんだから。what3words のサイトに行って検索しないとわからないわけで、まるっきり暗号用じゃん。

そして誰が選んだのかその単語。単語数は英語で4万語、他の言語だと2万5000語、人工知能まかせじゃなくて人の手も入ってるそうです。3つの組み合わせやグリッドへの割り振りは自動化したんだと思いますが(でないと終わらんよ)。

とにかくすごい、すごすぎる。発想がぶっ飛んでる。いやなんか、どっかで聞いたような気もするんだけど、すごすぎて脳がバグってそんな気がしてるだけかもしれない。

 

これがねえ、ナビとか物流とかのシステムに使われてるそうなんですよ。ちゃんと実用化されてるの。これを使おうと思った側もすごい。

コナンとか、3単語聞いて「東大の本郷キャンパスのローソンだ」とかって当てそうですよね。ありえんから、what3words で示す地球上の土地は、グリッド数57兆個だから。

 

 

なお、NCIS:LAで他の天才分析官たちがまったく見当がつかずにいたところへ入ってきてあっさり「what3words じゃん」と言った天才捜査官は、子供の頃、「gifted のクラスにいた」と言っています。

gifted っていうのは、天才のことです。障害者を challenged っていうのの逆の、キリスト教的発想の単語です。「神から与えられし才能を持つ子どもたち」のことをさすので、gifted のクラスは塾のように望んで入るものではありません。学校教育や民生委員みたいな人たちの指導で発見された天才児たちが、これは国の金と手間をかけて教育したほうが将来社会のためになる、という判断のもと、特別な英才教育を受けます。

 

薪さんのご両親がご存命だったら、どうせ親戚と縁切ってるし、いつまでも日本に閉じこもってる理由はないので、お父さんは西海岸の大学かシリコンバレー(←古い)あたりでなんか頭良さそうな仕事すればいい。

※ プレミアムが経済学部にあってお父さんが法学部で都市計画(=通常は建築は工学部)やって、という謎構造なので、「お父さんも天才だったからいろいろやってた」説が拡大しつつあります

※ 個人的にはお母さんにも一角の人物であっていただきたいのですが、あまり想像がつかんのでとりあえず放置します

 

ちっちゃいつよしくんは間違いなくgifted のクラスで伸び伸びとした英才教育を受けて、アメリカ国籍とってスペリング大会に出て、あのニコニコした真っ直ぐさのまま、でもこじれるとコワイ連邦捜査官になるといいね。

大丈夫、アメリカ育ち設定でも鈴木には会えるよ、東大とか京大とかに共同研究だの講演だので来るから。そのときに科学捜査の話とかすれば、警察官僚を目指す鈴木さんも聞きにくる。あっという間に意気投合して、結局は太平洋を挟んで遠距離恋愛、じゃなかった、同志としてMDIPとか関連機関で一緒に捜査するんです。あっちとこっちで、未来のCIA長官と未来の警察庁長官として。

 

ご両親も鈴木さんも生きてたら、青木の出番は、ないな。となんとなく思ってしまうのは、なんででしょう(すみませんすみません)。つよしくんが苦しみのない人生を送るような気がするから、だな。

青木は変わらず学生時代から、太平洋の向こうの天才捜査官に憧れて、「第九」に入って鈴木さんの元で働くことになるでしょうね。まあそれはそれで悪くない気がしてしまうのはなぜ。

 

 

以上、『秘密』とはまったく関係ないのですが、what3words の発想は薪さんぽい(←同意してくださる方求む)と興奮したので、ご報告でした。

ご自分の会社の住所とか、試しに調べてみてください。調べたからって別に感動とかはしないですけど、単語があまりにランダムでまったくピンとこないので。とにかくシステムに興奮しました。

 

おはなしのネタにはなりそうだと思ったのですが、あまりに暗号っぽすぎて、発想が大胆すぎてそこだけストーリーから浮くので、そうそう気楽に使えないのが惜しい。

むしろいきなり周波数とか言い出す薪さんだから、公式で出てきてもおかしくない気がしちゃいます。タジクとの頭脳戦とかで。

ひとりで興奮してて失礼しました。同類の方がいらしたら嬉しいです。