こちらはiPadで雑に撮影したカラー扉をMacBookのデスクトップに貼り付けただけのものですが、今回「巻頭」カラーなので、メロディの電子版が出る５日には、試し読みでこのデジタル画像が手に入ります。嬉しい！！
※ 青薪心中（＝わたし自身はそんな物騒なものだとは思ってないただのお気に入りです）とそのときの三つ巴をデスクトップとか待ち受け？？（←スマホじゃないので仕組みがよくわからない）にしたい方は、こちらから試し読みで手に入ります。巻頭カラー、最高。
なんかもう６月号のコレ、ほんとさいこう。たぶん今回、秘密クラスタでいちばん喜んでるし恩恵受けてる。
だいたいこの猫、野良さんのくせにハラそんなに出してひっくり返って、警戒しなさすぎだから。こんな触れる猫はすぐ保護して、避妊手術して里親探ししないと。 ←猫モンペ活動者の主張です
わたしは舞は最終的には無事であると信じているので、なぜならそうでないと青薪が平和に成就しないからです。 ←は？？？ 理屈がめちゃくちゃなんですけど
とにかく心配していないので、ここんとこだいぶ何度も入ってきてる回想のおかげで公式での青薪感がだいぶ高まってて、そのおかげで妄想が捗ってるところにこんなカラーを飴として出された日には、もう猫と暮らすしかないでしょう薪さん。 ←あ？？？
ワタシがだいぶ錯乱していることについては、気にしないでくださいアセトアミノフェンのせいです（嘘ですただのデフォルトです）。
ささやかな静謐を記録しました。
あの薪さんと猫（と青木）の、オリジナルのノベライズ（←定義矛盾）みたいな話です。ずっとちゅーしてます。だいぶ気が緩みすぎの薪さんですが、元絵がそうだから仕方ない！ 清水先生ありがとうございました！！
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名前のない猫
わずかな重量をその軽くて少し湿った触覚として感じとる。恋人のキス、プラタナスの葉、草の匂い。日差しのうららかさにときめいたからって、こんなところでお午睡したらダメですよ、とスーツのまま寝転がった髪を長い指が梳いた。日焼けするから、とか馬鹿馬鹿しい理由をあげていたな、と思い出し笑いが意識の浮揚とともに口の端にのぼる。上からさかさまに覗き込んでいた唇がまぶたに降りて、乱れたシャツを直して、いや不埒な大男の仕草はその逆だったかもしれない。耳元を撫でる吐息、頬を撫でる髭。――ヒゲ？
「あ？」
遠慮なく腹をまさぐる小さな手に、ふんふんと獲物を狙う鼻の頭が続いて、しなやかなしっぽの先が首筋をかすめた。相手が四つ足ではその侵略者の図々しさをからだの上から無碍に追い落とすのも気が引ける。青木の腕が薪の顎の横から胸を辿って遠くへと伸び、毛皮を捕獲しようと試みて失敗した。異なる二種類の重量のくすぐったさについ小さな声をあげて笑ったのを聞くと、青木は影をつくる位置に座り直してこちらに背を向けて、木陰であだっぽい空気を意図せず振りまく麗人の庇護についた。
肘をついて起き上がる。鈴懸の木の根本で、枝を離れた葉脈がくるりと舞って猫の爪をかすめる。思いがけず長い胴をありえない角度にひねった獣は、自分の和毛の下にあるのがどんな人間なのかを気にもしていない。
「こいつ、僕を地面の延長ぐらいにしか思ってないぞ」
無防備すぎたかな、と胸ポケットのスマホを取り出しながら呟くと、背後の巨体が振り向いた。
「そんなわけないでしょ」
「何の話だ」
「いくら昼休みだからって曲がりなりにも捜査の途中に、あなたが気を緩めるなんて」
モニタの中の暴れん坊はいまや好き放題にひっくり返って、ジャケットにもタイにも抜け毛を落とし、シーツの上でたわむれる気怠い遊戯のように空を掻く。
「昼休みだからじゃない」
「じゃあなんですか」
日差しを反射する軽いベルベットのジャケットが、毛並みのうねりを艶やかな輝きとして放つ。
答えずにいると、猫のダンスに意識を奪われた春の人を咎めるように、広い肩が薪を奪い返した。
「さっき一瞬だけ、眠ってましたね」
「夢を見た」
「知ってます」
「なぜ」
「ねごと言ってました」
「まさか」
「覚えてないんですか」
「あんまり」
「少しは覚えてるんですか」
「たぶん」
「教えてください」
「おまえがいた。あとはわからない」
まだやんちゃなキジトラが好き勝手に転げ回るその下の細い腰が抱き寄せられる。のけぞって首を傾げた唇がつかまる。
「それは、夢じゃないです」
「夢でもそばにいた」
「俺がですか」
「猫だよ」
草の地面がさわさわと揺れ、プラタナスの葉があおられる。丸い動物がふたりのあいだから滑り落ち、何度目かのキスが降ってくる。
「犬でしょ。本当は」
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