雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

秘密の外国語 スロヴェニア語編

 

またしても外国語ネタですすみません。もうその話題いらんわ、という方にはどうもすみません。

 

薪さんがイタリア語もできることにしてたことを思い出して、ここまでで公式と合わせて17か国語になってしまいました。

復習です。

公式:

印欧語族     =英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語

アルタイ語族   =ウイグル語、カザフ語

アフロ・アジア語族アラビア語

日本語族     =日本語(※ アルタイ語族に入ることもあります)

弊社:

印欧語族     =ラテン語、イタリア語、スペイン語ペルシャ語、パシュトゥー語、スウェーデン語、オランダ語

シナ・チベット語族=北京語、広東語

 

公式のバリエーションが実はすごいですね。ウイグル語とかカザフ語とか相変わらずなんでそれを??って謎ですが、たぶん違う語族をやってみたかったんでしょう、天才薪さんは。こりゃぜったい北京語できるよ公式でも。

そして弊社の外国語は実は偏ってます。←いま気づいた 薪さん似たような言語やらせてゴメン、でも「読みたい本(=オペラ物語とか『ルバイヤート』とか)があったから学んだ」ことになってるので許してください。それにたぶんどうせ、イタリア語とかスペイン語とかはほとんど勉強せずしてできるようになったと思う、英語とラテン語できてれば。

 

 

こんなにできるのはもう仕方ない(???)として、20年ばかり前に知りあったスロヴェニアからの留学生とのやりとりを思い出したので、今日はそれを話題にします。

 

スロヴェニアは旧ユーゴから10日間程度の短い戦争で一番最初に独立した国です。私見によると独立が簡単だった理由は、旧ユーゴ内の西端にあり、西側諸国に文化的にも近く東欧から遠く、位置的理由から経済の分岐点で他の社会主義国家よりは潤っており、そういった地理的文化的経済的要因があったせいだと思われます。

 

当時日本語の短期留学に来ていたヤスナに何か国語できるのか尋ねたところ、スロヴェニア語、英語、隣国イタリア語は誰でもできるそうで、ロシア語も似てるからだいたいわかるし、別の隣国クロアチア語は彼女たちにとっては外国語ではない、とのことでした。よってちょっと勉強する人ならこれに加えてフランス語とかドイツ語とかやるので、6、7か国語はできるそうです。

スロヴェニア語は印欧語族という点で英語とかフランス語とかに近く、スラブ語派なのでロシア語寄りで、もともとキリル文字を使ってたのを東欧つまりロシアからの影響を排除するためにラテン文字(いわゆるアルファベット)に変えたそうで、先の「6、7か国語」というのは我々が考える「日本語+英語に加えて……」のような外国語学習イメージとは大きく異なります。そこそこ教養があっても英語以外はできないアメリカ人はけっこういる、という事実が、単純にサボりだろう、と思わされるエピソードです。

 

いっぽうでもちろんヤスナは日本語の短期留学生だったので日本語を勉強してはいたのですが、大学で日本文化学科みたいなところに所属して日本語やってて留学しに来ても、日本語での会話は自己紹介がやっと、みたいな感じでした。イメージで言うと、夏休みにアメリカに語学留学に行った日本の高校生くらい。

「異なる種類の言語」を学ぶことがどれほどの労苦を伴うのか、の典型例とも言えます。

 

 

薪さんの場合(といつもどおり突然ナチュラルに変換します)はどういう仕組みになっているのかというと、

1 子供の頃にお父さんの出張にくっついてしょっちゅう海外に行ってて外人のお客も自宅に多くて、環境的に普通に英語とのバイリンガルで育った。

2 英語ができるもんであの天才にとって他の印欧語は難しくなかった。

3 天才すぎて脳みそがヒマだったしいろんな言語でいろんな本を読んでおもしろかったので他の語族にも挑戦してみた。

4 子供の頃にそんなことをやったので、発音はわりとどの言語もうまい。

5 でも子供の頃からそんなことやったので、文化的にはなにじんとも言い難い側面がありたまにコミュ障気味(本人はまったく気にしていない)。天才だから許されている。

といったところじゃないかと思うんですよね。

 

2について。

人間にはなにごとにも得手不得手があるもので、ある言語と別のある言語がどの程度「似ている」かそうでないかに関しても様々な見方や程度があります。

例1。

中国語のいわゆる北京語では「大丈夫」は「無問題」であり、「メイウェンティ」と発音します。同じものは広東語で「モウマンタイ」となります。わたしはこのふたつは発音がかなり似ていると思っているのですが、今まで誰にも同意されたことがありません。

例2。

韓国語は文法がわりと日本語に似ています。わたしは学習したことはないのですが学生時代に韓国人留学生の知り合いが多かったため、しばらく日本語で話を聞いているうちに漢字で書かれた(=25年くらい前はまだ韓国人も漢字を使っていた)人名は韓国語の発音で読めるようになり、漢字で書ける名詞も教えられなくてもだいたい韓国語の発音で読めるようになりました。例:学校(ハッキョ)、日本(イルボン)など。ハングルは読めないので今となってはもう何もわかりません。

 

薪さんはそういう、「似てる」ところを発見して活用するのが得意な人なんじゃないかと思うんですよ。すると同じ語族の言語なら1個できれば他はそんなに難しくないはず。あの人には。

ああ清水先生、薪さんを天才にしてくださってありがとうございます。あの人がもうすぐ生まれてくると思うだけでこの世界が愛おしくなります。

 

 

なお現実世界では、早期の外国語教育に関しては、子供は会話は素早く習得するけれど一般的に書き言葉には遅れが見られるので、そのせいで学習に遅れが見られることがある、という指摘があります。

バイリンガル推進派はそんな取り戻せる遅れよりもバイリンガルになれるほうが有益だと考えており、逆の立場の人(※)はその遅れがもたらす影響を心配するわけです。

※ 世の中には、将来使うかどうかわかりもしない外国語に子供のうちから時間と労力を割き小学生全員を対象に外国語教育を行うことを不要だと思っている人々もたくさんいます。わたしもどちらかというとその立場です。まだ日本語も完成してない子供に英語やらせるくらいなら数学と音楽をやらせたほうが絶対によい、と思っている派。

 

 

* * * * *

 

最後に関係ない蛇足です。

昨日の薪さんと宇野さんのチェスに伴うやりとりの別バージョンを妄想してました。いま妄想が必要な時期なんです。 ←いつも以上に錯乱気味

昨日のが「その1」です。

 

チェスしながらの会話 その2 

薪 「最近どうだ」

宇野「まあまあですね。薪さんは」

薪 「まあまあだな」

宇野「曽我猫がまもなく1歳だそうで」

薪 「らしいな。おまえの犬は」

宇野「相変わらずデカイですよ。そちらの犬は」

薪 「相変わらず何もかもデk」 ←このあとえげつない一手を打ちます

 

チェスしながらの会話 その3

薪 「最近どうだ」

宇野「まあまあです。ところで青木に付き合ってる相手がいるって噂が流れてます」(※ 何度か垂れ流した妄想です)

薪 「発生源は」

宇野「……」

薪 「噂の」

宇野「あ。室長ルートでは今井さんです」

薪 「ルートがあるのか……」

宇野「小池が、薪さんに届が出てるんじゃないかって」

薪 「……」 ←出てる

 

 

こちら10年前、うちに来たばかりのときの青木ワンコ(仮名)。まだ耳が折れてました。

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