雑種のひみつの『秘密』

清水玲子先生の『秘密』について、思いの丈を吐露します。

読書報告3 ジェンダー論

今日読んでた別の本に、『戦場のメリークリスマス』で「同性愛表現は広く受け止められてきた(と言われてるけどほんとにそうか)」という記述があって、わたしは軽くショックを受けました。

戦メリ、2回見たよ。同性愛………………あったっけ?? ←あったとしてもちから一杯スルーしてた

そろそろ自分の読解力や注意力や記憶力を、本気で心配し始めています。

 

 

連休中に読んだ本のレポートを継続します。もはやいまさらリーディング・ブレイクでもないと思い、「読書報告」としました。

4日に「ジェンダーフリー」という用語についてちょっと書きました。

今日の読書はそれに関わる話。

 

『はじめてのジェンダー論』

https://www.amazon.co.jp/はじめてのジェンダー論-有斐閣ストゥディア-加藤-秀一/dp/4641150397/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=はじめてのジェンダー論&qid=1556955010&s=gateway&sr=8-1

 

こちらは2017年に出た新し目の入門書です。

なぜいまさら入門書を買ったのか思い出せないのですが、内容は「広く浅いはじめの一歩としての入門書」では「ない」ので、書評か何か読んだんだろうな。

 

結論を言うと、生物学的な性別を「セックス」ではなく「ジェンダー」と呼ぶことは、ジェンダー論界隈ではもう一般的でした

よく考えてみればまあそりゃそうだ。そもそも生物学的な性が二分的でなくスペクトラムであるということはだんだん知られてきているし、それをとりあえず置いといても、いわゆる社会的な性というのは根っこに常に生物学的性があるので、それを切り離すことはナンセンスだといえます。つまり「セックス」を含めて「ジェンダー」と呼ぶのが現状のようです。

さらに付け加えると、アメリカ精神医学会の診断マニュアル(=世界基準らしい)で「性同一性障害」が「性別違和」という用語に書き換えられた(んだそうですよこの当事者感覚すごいですね、「障害」かどうかは人による、というのが理由のようです)ときに、性別を表す「セックス」という用語も、「(割り当てられた)ジェンダー」に変わったそうです。またこの「割り当てられた」あたりがキリスト教ぽい。つまり精神医学の一般的な専門用語(←ヘンな言い方)では性別のことをもはや「セックス」とは言わないらしい。

 

 

で、納得したところで本日の本なんですが。

もう薪さんを想像せずには読めない。 

 

先に言い訳しておくと、わたしは自分の興味関心としてのジェンダー論(=これも社会的マイノリティに常につながります)を薪さんに重ねて『秘密』を読む、気は毛頭ありませんたまに話題にしてるのは全部「たまたま」です

ジェンダー論を読んで薪さんを思い出すのは、つまりアッシュを見てて薪さんを思い出すのと同じで、だからといってアッシュが好きなわけでもない、というのと同じで、つまり脳みそが薪さんでいっぱいなので、ジェンダー論なんか読んでても薪さんが出てくる、というそれだけなんです。 ←くどい ←でも重要

 

(以下、引用ですが長いところは短くまとめて記述しなおしました)

例えば。

「たいていの書類の性別欄は男か女かの二者択一になってる、職業欄だと「その他」があるけど性別欄がそうなっていることは稀」

(ってことは稀にあるのか)ということが書いてあると。

 性別: 男 女 薪さん その他

とかを想像してしまうわけです。 各方面に謝罪しますふざけてますごめんなさいごめんなさい

 

それから。

「個々の肉体の多様性が縮減されて、「男」と「女」という2つだけの記号にまとめあげられている」

なんていうのを読むと。

ねーこれはわたしだけじゃないでしょウンウンほんとは2つだけじゃねーな、と思った人??

 

男と女がいかに違うか、ということを述べた文章について、

「何の疑問ももたずに面白がり、さっそく合コンの盛り上げ用ネタにしてしまう人。失礼ながら、こういう方はそもそも知的探求には向いていないタイプです。別方面の幸せを探すのが賢明でしょう。」

これは、薪さんがつまらん上官に言いそうっていうか言ってほしい。

 

逆に。

「近代以前の日本で同性間の肉体関係が戒められることがあったのは、それは行為自体が罪だとか病気だとかいうのではなく、それが原因で社会秩序が乱される(管理人注:武士の話なので本当の意味で刃傷沙汰になる、ということをさす)と思われたからで、「同性愛」は近代になってから発明された現象である」

(つまり肉体関係の相手が同性か異性かということは、近代以前はたいしたもんだいではなかったらしく、ゆえにわざわざ名前もついていなかったらしい)

なんていうところでは、わたしは薪さんを思い出さなかったですね。たぶん、青木が男なのはたまたまだと(無意識に)思ってるからです。

 

立派な専門書なんですけどね……書いた人もまさかこんな読み方されるとは思わなかっただろうな。pixiv論文問題の逆みたいな現象。学問がオタクに利用される、という。

 

この本は文章が(入門書ですので)わかりやすいうえにトピックが現代的で新しく(トランスジェンダーとか女性科学者とか少女マンガとかワークライフ・バランスとか)、解説なしに専門用語が突然出てくるということもなく、しかも薄いので、単なる読書として楽しめます。おすすめしておきます。