こんばんは、日曜日の夜だというのに、日付変わってまた新しい月曜日が始まるというのに、今夜もにんげんの若者がうちにきてべんきょうしています。終わらねえ!
血便から快復し無事ただの下痢になった宇野さん。キュートさが悪魔化している。
指をしゃぶっています。けどそのポーズ、薪さんのだよね……。
さて昨日の話の続きです。でももうゲイのセックスの話はしません(おい)。
バイト相手のロシア系アメリカ人が勤めるのは誰でも知ってる大企業なので、そちらの会社での性的少数者の扱いはどうなの、というのを聞いてみました。
わたしは仕事の関係でこの手の話題、つまり社会的に少数派に属する人々のことを調べたり話したりすることがわりと多いので、内容としては不慣れなトピックではないこともあり、社会情報を仕入れる一端として聞いてみようと思った次第です。
でかくて新しい若い企業なのに、でもカミングアウトとかは一般的にないって言ってましたね。やっぱり日本ではまだまだのようです。
で、昨日の話題にあった、女性差別や年齢間の確執や人種差別なんてものが相変わらず残ってるのに、なぜゲイだけは受け入れ意識が(少なくとも統計上)上昇したのか、ということについて。あるいはその理由のひとつなのではないかと思われることについて。
ここにいらしてるみなさんはよくご存知かもしれませんが(←なぜそう思う)、ゲイの特にカップルは、企業から見るとウェルカムな存在なのです。以前、ゲイであることを公表して、ゲイの権利のために活動している、ゲイについての研究者の、講演会で聞きました。
・通常ダブルインカムでしかも収入が大きいことが多い(お金持ちが多いのがなぜなのかはわからない、そこが目立つだけかもしれないし、「男の」ゲイが話題になることが多いからかもしれない(このカッコ内はわたしの疑問))
・社会情勢=流行に敏感でそこにもよく金を使う
・特に日本では子供がいないので、そのぶんよそに金を使う(外食、旅行、ファッションなど)
で、若者が金を使わないと言われ出して久しいいま、ゲイのカップルはおしゃれな分野にお金を惜しまず使う存在として、好ましい消費者という存在なんだそうな。
政治家あたりが同性愛を「非生産的だ」なんて言うたびに(子供を産むことだけが生産性なら産めない(男の政治家の)あんたも同じだねと意地悪く嘲る一方)、誰かこれ言って抵抗してやれよ、と思うのです。
講演会で資料としていただいた小冊子は三分の一が協賛企業の広告で埋まっており、中でも目ウロコ的に感動したのがこちら。
考えもしなかったなあと思いまして。
その講演会の講師には、一緒に暮らしている同性のパートナーがいます。かの2011年の震災のときに、交通機能の麻痺した東京でふたりで仕事帰りに落ち合って、人の波に紛れて何時間も歩いて帰宅したそうです。あとからその年下の恋人に、「あのとき心細くて手を繋ぎたかったけど、周囲の目が怖くて繋げなかった」と告白され、胸が痛かった、とおっしゃっていました。
聞いて泣きました。
河惣益巳さんの『ツーリング・エクスプレス』シリーズが、いったん落ち着くあたりまでけっこう好きでした。その登場人物のひとりのリュシオンがゲイで、美形でモテまくって男遊びも激しいのに、それを最愛の姉に隠して
「姉が死んだのが俺がゲイだと(そこ??)バレる前でよかった」 ←遊んでるほうが問題だと思うよおばちゃんは……
みたいなことまで言ったり、主人公の刑事のシャルルが殺し屋ディーンと付き合って、
「恋人が男なんて(そこ??)軽蔑しますか」 ←恋人が殺し屋であることはどうなんだ
と他の人に聞いたりする、というのがあるんです。
これがわたしは違和感バリバリでどうにも認めることができず。
いや実社会ではまだ広く受け入れられてないかもしれないですよ実際。でも講師の話にあったように、非常時には人間は暴走するものだからいつもより慎重にならなければならない、というそれだけのことで傷つく当事者がいて、それだけのことを聞いて泣いた聴衆がいたのに、ガチで描いてる作者が主人公に価値観としての否定感を持たせてしかも口に出して言わせたら、作者自身もそれをおかしいと思ってます、って言ってるようなもんじゃないの??と感じてしまうわけです。
講演のあとに素朴な疑問として、ゲイであることを公表して活動すると、常に「ゲイの」っていうところから判断されませんか、と(答えはわかってたんですが)質問してみました。お答えは予想どおり、そうだけど、付き合ううちに心ある人はひとりの人間として自分を見てくれるようになる、というものでした。
わたしの、(原作はともかく自分で書いてるくせに)薪さんがゲイだという感覚はない、というのは、たぶんこういう、わたしにとって重要なのはそこじゃない、というところから来てるのではないか、と思ったしだいです。
やっと『秘密』の話になったところで今日はおしまいです。
赤ちゃん猫と、にんげんの若者の世話に戻ります!