「タジクレストランの薪さん」の続編?なので「2」です。
あのあとで気になって考察したことがあります。
※ 1 『秘密』新参者なので、もっと簡単な解答とっくに出てるよ、ということがあったら悪しからずご了承いただき、できればこっそり教えていただけると管理人がこれ以上恥をかかずにすみます。すでに下の考察の中で三度恥かいてます。
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タジク・シャマールは弱冠34歳にして、代官山の超高級フレンチ「エトール・セントラル」のオーナーシェフなんですよね。
だってレストランは自宅兼仕事場だし、彼自身の意志で開ける日・開けない日決めてるし、「原罪」終盤でこれまた彼自身が人員整理してるし。オーナーが他にいてタジクが雇われシェフだったらこうはいかない。
そのレストランも、個室まであるし、スタッフだって厨房のタジクの後ろだけであんだけの数だから、丁稚までいれたら何人いるかわかりゃしない。それだけの人数を雇って切りまわしてたタジク、まずすごいと思いまして。しかも週4日くらいしかあけないって、稼働日数それだけでどうやって諸経費人件費超えて切り盛りしてるの??
あの日の薪さんのポケットマネー、4人でランチでワイン抜きで10万は下らないと思ったけど、いやとんでもない20万超えてるよ絶対。夜はひとり10万だな……ワイン入れたらエライことに…… 薪さん今度はわたしを誘ってください
やっぱ敬称つけたくなるよね青木クン。
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ここからが今回のお題。レストランの名前が気になったんですが。
「エトール」はフランス語で「ストール」のこと、レストランの名前にしては妙だし、もしかして「エトワール」のことかな? でも「セントラル」はたぶんフランス語ではないので(※ 2)、フランス語をよく知らないという超個人的理由から、まずはフランス語でない可能性を先に探りました。
※ 2 「星」を「エトール」といってるのかも、と思った時点で、「セントレ」を「セントラル」といってる可能性を考慮すべきでした(厳密には後ほど判明しますが「セントレ」と「セントラル」は両方フランス語にあって別の語彙でした)。このことが3、4の無駄な考察につながってしまったのですが、せっかくの労力を無駄な記事にしますのでこのままお進みください。
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だとすると英語の「セントラル」にラテン語かなんかの「エトール」が混ざってると判断するのがおそらく現実的で、行き当たりばったりで単語を考えてみてこれかもなーと思ったのが、「et al central」です。
「et al.」がラテン語由来で「その他」という意味なので、「中央と周辺」(つまり全部か)あるいは「その他の真ん中」(難しく解釈すれば、第三世界の中にある心のふるさと、みたいに読めなくもない)という意味になる、のかなー。
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ここからが無駄の真骨頂。
検索してみたんですよこいつを。「et al central」を。そしたら全部一致は一件で、すごく怪しいページにつながりました。
つながったページの先にあるのはこれだけ。いきなりログイン要求して、他に「et al central」の手がかりを示すものはなにもない。
あやしくないですか。
ちなみにURLの最後はzaで、これは南アフリカ共和国の国別コードです。あっ ZとAってアルファとオメガじゃん、「et al central」じゃん!
※ オメガバースとかとは何の関係もありません(←オメガバースについてはこの記事を書いたはるか後に知った)、「わたしはアルファでありオメガである」のアルファとオメガです!
わー諜報機関とかだったらどうしよう(ないから)こんな怪しいとこまで妙にタジクっぽい、と思ってURLじゃなくて画像貼り付けておきましたのでご安心ください。
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さらに捜査を続けて、じつはカサブランカに同名のレストランがあることが判明しました。
え。あるの。なんだやっぱりフランス語だったのか……。
上記のわたしの無駄な考察と検索と考察はほんとに無駄だったのね。
個人のブログで「ETOILE CENTRAL」と紹介されていたのですがそんな綴りのはずないだろうと思って調べると、正しくは「L'Étoile Centrale」。庶民料理っぽいところです。これだと厳密には「レトワール・セントラル」ですが、モロッコには別の高級ぽいレストラン「L'Étoile De Centrale」とゆーのもありますし、タジクのレストランは冠詞が省略されたと思っておこう。
これだと単純です、「中心の星」という意味です(※ 3)。
※ 3 Centraleだけだと「発電所」という訳語が出てくるのですが、L'Étoile Centraleは「セントラルスター」とカタカナで出力するぐーぐる先生。訳出語を英語にしても同じなので、ここは「中心の星」でいきます。
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ここまできてやっと「これだよねきっと」という解釈にたどり着きます。
「中央の星」ってなんか中央アジアぽいなあと根拠なく思って調べてみたところ、タジキスタンの国旗の真ん中に7つの星があります。この真ん中の星っていう意味かも、と思ったのですが、星が7つなのは「縁起がいい」という理由だそうで、独立だの同盟だのの意味はなさそうです。
7つの星の下には王冠があり、一説によると「タジク」が「王冠」という意味だそうで。つまり国旗の図柄から「中央の星=王冠」と解釈すれば、「エトール・セントラル」とは「タジク」そのものなのです。
ヒュウ、タジク氏カッコイイ!! てゆーか清水先生、こんな立派なレストラン名を1回出しただけで全然使ってませんねもったいない。名前にこだわりがないっぽい清水先生らしいというか(ギャーすんません)。誰も名前で呼んでなかったもんねあそこ。
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で、みなさんお気付きですよね、わたしもやっとこさ気づきましたよ。
タジクの出身地はタジキスタンではない……カザフです。
カザフスタンの国旗中央にあるのは星ではなくて太陽だし。関係ないし。
だから原作内でスルーだったのね……。「タジクの名前が由来である」という結論でわたしもここはスルーでいきます。タジキスタンとカザフスタンは中央アジア連合構想があるくらい近い民族だし、許容範囲であろう。
以上、調査の結果結論は、「タジク氏は普通にレストランやってても頭よくてコワイ、と思ったらそんなめんどくさい話じゃなくてただかっこいいだけだった」というものでありました。
この記事に長々とお付き合いいただきありがとうございました、無駄な労力が報われます。
でもこの考察過程が薪さんにバレたら最初のフランス語の時点でかなりバカにされラテン語から南アフリカのあたりで死ぬほど見下されると思うので、秘密です。
しかしタジク氏、2060年代終盤あたりで天 皇 陛 下の代替わりがあって恩赦があって(あるいはお務め終わってでもいいんですが)出所して、 捜査手伝ったり手伝わなかったりでなんかのどさくさまぎれに薪さんにチューしそうな危険な予感がして、大変気が気でない。しかも薪さんと青木をからかうためだけにそういうことしそう。ギャーやめてーー
万が一公式で何かあるとしたらそれだろうなと勝手に心配しています(妄言ですお聞き流しください)。